品質の改善

品質改善について、経験上いろいろ言いたいこと

LSQDCといわれる企業での大切なこと

品質不正が言われだして、「人の噂も75日」と思うような今日この頃ですが、
企業人としての姿勢をもう一度考えてみたいと思います。
 品質保証にも言えることですが、企業人として心掛けることは何か、というときに浮かぶことは
「LSQDC]です。
 これは

L ------ Law(法規、ルール、コンプライアンス
S ------ Safety(安全、顧客の安全、従業員の労働安全衛生)
Q ------ Quality(顧客の満足できる品質で製品、サービスを提供する)
D ------ Delivery(納期、約束した期日までに納めること)
C ------ Cost(顧客のの望む価格で納められるよう努力すること)

です。

大切な順番も、「L,S,Q,D,C]の順であろうと思います。
しかしながら、"LやSやQ”を忘れてしまった企業があったということです。
 法規、ルールを守らないと、企業としてどういうことになるのか、
その答えが、現在の品質不正企業の実態です。
世間の信頼を失い、株価が下落し、取引先の信用も失う。
つまるところ、ビジネスも信用です。一部の社員のしでかした事かもわかりませんが、
結果的にこのような大きな損失を被るわけです。
 また、新幹線の台車問題では、乗客の”安全”に関して、何も考えていないことが判ってしまいました。
設計とは違う寸法に加工して、結果、台車にクラックが入るようなことを想定しない(新幹線に大事故が起こることを想定しない)というある意味”ノー天気”なことを、何年も行っていたわけです。
 検査データを改竄していた企業も、”約束した品質”を提供するという当たり前の業務を行っていなかったわけです。
 しかし、表面に現れる”納期”だけは守ろうとしたわけですね。
これは、責任を全うしようとしたというよりは、関係者に責任がかかることを回避しただけだとおもわれます。
しかし、”LやSやQ”はどうでもいい(顧客に提供しなくてもいい)という、信じられない無責任さなわけです。
今一度、企業の原点に戻って現状を確認すべきだと考えます。
これは、他の企業も他山の石として、全社員が自分の身になって考える(考えさせる)べきことだと思います。
私達は、お客様満足度を第一に考えて、品質保証、品質管理を行ってきました。

日本の企業の中に、こういう企業がいるということに驚きを覚えるとともに、そういった企業がまだまだ存在しているのではないかいう危惧を抱きます。

 しかしながら、そういう考えで仕事をしている人達はモチベーションも上がらないだろうし、不幸なことだと思います。携わっている業務や所属している企業の改善されていく姿や、成長していくさまを見れないからです。やはり、人はパンのみにて生きているのではないのではないか、と思います。精神的な充足や満足感が得られなければ、士気もあがらないでしょう。お客様満足度を感じられてこそ、従業員一同の満足度もえられるのではないでしょうか。

各自が自分の職責を全て全うしているかどうかを見直してはどうでしょうか。
 そうしないと、長い目で見た企業の繁栄はないと思います。