品質の改善

品質改善について、経験上いろいろ言いたいこと

加工・組み立てのバラツキと品質不良

 製造部門の責任者の品質意識が低いと不良を発生させる、ということを聞くことがあります。
 「この程度の不良はいつでも出るから」などと言って、対策をとる気がない。
 これは、当面の売り上げをを達成したい、生産目標を達成したいなどのためです。
 納期に間に合わせるためには、しようがない場合もあります。但し、その時期を
乗り越えたら、対策を取るのかと思えば、何もしない。のど元過ぎたら、また、同じような不良を発生させるというものです。
 不良が発生したら、対策を取れない場合でも、忘れないうちに不良の現象の記録と現物を残しておく。できればその際の周囲の状況を記録しておく。そうしないと、後で、原因追究と対策の検討が出来なくなります。
 また、製造担当者の品質意識が低いと不良を発生させるのも前述の通りです。
 上司に品質意識がないと、同じようになります。というよりも、品質意識を持って行動すると、余計なことをする生産効率の悪い奴、と評価されかねません。そうすると、部下は生産活動の業務しか行わなくなると思います。そこで、損失の金額があまり表面に出てこない場合は、余計そうなるでしょう。
 さらに、加工・組み立て面での職場環境が悪いと不良を発生させることがあります。
 たとえば、加工・組み立て環境の照明が悪いと製品や部品の判断が分かりずらいということもあります。
また、よく言われることですが、5Sが出来ていないと、作業効率が落ちますし、ひいては不良を発生しかねません。この場合の5Sとは、整理・整頓・清掃・清潔・躾のことですね。
 その他に、指導者は加工・組み立てに必要な操作や手順を作業者に指導しているか、ということがあります。
ただ、どの程度まで指導すべきかというのも難しい問題です。ただ、不良を出したり、問題が起こった場合は、現状では指導不足だと考えて、改善しないといけません。
 製品や部品が変わる場合も見直し・検討の場面だと思います。
不良・問題が出やすい場面としてよく言われるのが3Hです。
 3Hというのは、”初めて、変更、久しぶり”の頭文字をローマ字であらわしたものですが、先人の知恵だと思います。こうした他人の経験(先人の経験)は大いに参考とすべきだと思います。過去、”初めて”という場合は、特に製品の場合は、「新製品」として重要視されてきました。しかし、”変更”という場合は、「新製品」程、気を付けて扱われてこなかったように思います。また”久しぶり”となると、「過去に行っていたことだから」ということで、ほとんど気にされていなかったように思います。もう少し、手段的に、何かを設けるべきかな、と思ったものです。

さらに、加工・組み立てはポカミスの温床かもわかりません。何の対策もしなければ、不良は発生するものです。
ポカミス対策として、ポカヨケを活用すべきです。

 何も考えなくても、設備や治具でポカミスを防げればそれに越したことはないからです。これも、過去の経験や現状の問題点の対策として、検討・改善していくべきことだと考えます。

 最後に。不良が出る場合は、現状のバラツキを把握するために、工程能力指数を算出して、工程の能力を掴むべきでしょう。"σn-1"ですね。いまどきはEXCELで簡単に算出できるので、品質状況を把握するためには、使ってみるのも一つの手でしょうね。