品質の改善

品質改善について、経験上いろいろ言いたいこと

検査・測定のバラツキと品質不良

検査・測定というのは、検査方法の違いで結果が変わる場合があります。
つまり、検査方法の違いで合格・不合格が変わることがあるわけです。
抜き取り検査で行うか、全数検査で行うかでも結果が変わることはあります。
この場合、バラツキが大きい場合が多く、抜き取り検査では無理なことがあります。

ようするに、検査によって合格になったり、不合格になったりするわけです。

これでは信頼できる検査とは言えません。
 ではどうするのか。
全数検査にするのか、バラツキの原因を取り除いて、抜き取り検査でも問題のない状態にするか、です。このあたりの抜き取り検査できる条件などに関しては、JIS規格や専門書に載っているので、必要があればご一読ください。
 また、検査機器の違いで、結果が微妙に変わることもあり得ます。
検査機器の点検不備で正常な検査が出来ていないために、こういう状態を引き起こしてしまうこともあるからです。因みに、検査機器の使用前点検は必須です。決められた項目にしたがって点検しなければなりません。
 さらに、検査機器のバラツキが、検査結果に影響をおよぼす(たとえば不良を見逃す)ことはあります。
検査機器のバラツキという場合、検査機器単体の場合と、付属治具との組み合わせで問題のある場合とに分かれます。
付属治具との組み合わせで問題がある場合は、よく検討して、治具に問題があるのか、
治具と検査機器とのセッティングに問題があるのかどうか検討しなくてはなりません。
検査機器単体にバラツキがみられる場合は、検査機器の精度に問題がないかどうか、選定に問題がないか、どうか検討しなければなりません。
検査機器の選定というのは、重要で、必要な精度を要しているかどうかとか、望む測定ができるかどうかということを検討しなければなりません。この辺りは、検査計画ということになるかと思いますが、新しい製品を検査する前には、検査の方法、検査機器の選定に関して、検討が必要です。
 そして、校正も重要で、必要な精度を確保していないと、不良品を良品と判断したり、良品を不良品と判断することが考えられます。
 さらに検査測定者にバラツキがあると、不良を見逃す可能性があります。

通常は検査担当者には検査資格を持たせています(前提として検査業務の訓練を必要とされています)。
検査担当者のせいで不良が出にくい場合、訓練方法の見直しが必要かもわかりません。
 また、検査環境も重要です。
目視検査を行う場合は一定以上の照度は必要でしょうし(JISの規格など)、場合によっては、光源の種類も(必要なスペクトル分布なども)考えないといけないでしょう。
 音量をチェックする場合は、周囲の騒音も一定以下である必要があるでしょう。

官能にたよる検査の場合は、担当者の訓練・選定が重要ですし、機械で可能であるなら機械化したほうが、バラツキがなくなるかもわかりません。
 こういった検査に係わる諸々が検査のバラツキを大きくし、不良を増やす可能性があることを、場合によっては考慮すべきでしょう。