品質の改善

品質改善について、経験上いろいろ言いたいこと

データを把握する重要性

 データを把握するのは重要だ、とよく言われます。言われるところは、事実の確認なわけです。
ただ、言われる程、簡単ではありません。
 データを把握するのはなかなか手間もかかり、真偽を確認することも大変です。
さらに、大事なことがあります。そのデータが、どれくらいの位置に属するものかを捉えることです。
 例えば、先日、現在の内閣の支持率が48%だと報道されていました。この数字だけ知らされた人が、高いと思うのか、低いと思うのか。
 また、以前より上がったのか、下がったのか。
 それらの付随するデータがないと、正常な判断が出来ません。正常な判断が出来ないということは、データを正常に把握できないということです。
 余談ですが、普段報道されるニュースの中で、解り易いデータはあまり見かけませんね。逆に言うと、正常に判断しにくいデータを流して、報道している側に誘導するために、理解しにくくしているのでは、と勘繰るニュースも見かけます。
 データを示すのは、事実の確実性を高めるためだと思うのですが、ただ、事実の数字を示すだけでは相手に伝わりにくいものです。
 そういう目で見ていると、通常のニュースで事実を報道しているものがあるのかどうか、判断に困ります。
 しかしながら、品質管理という観点から考えると、そういうことでは困るわけです。事実をありのままに捉えて、データが偏っていないことを確認して、伝える相手(上司、関係者、顧客)に理解できるような形で渡し、理解して貰う。これが出来て初めてデータを把握した(担当者だけでなく、関係者全員が)といえるわけです。
 普段、このような過程で正確なデータ取りをして、満足できる精度でデータを取り、勿論、精度のトレーサビリティも取れている。さらに、データの意味するところを相手に理解していただく。
 こういった業務を完璧に出来るようになれば、100点満点なのですが、現実はなかなかその通りにはいかないものです。日常の仕事では、反省することもあるのですが、新聞やテレビは、とても納得できないデータ(悪いデータというのではなく、こちらから見て良いも悪いも判断できない)が氾濫しているように思います。もうすこし、確認できるような資料なり分献なりを、どこかのサイトなりで見れればな、と思ったりします。そうすれば、データを本当の意味で理解できるし、把握できるのになあ、と思ってしまう今日この頃です。

 こうして、相手にデータを把握していただく(理解して頂く)ことはとても重要です。逆に言えば、理解して頂けないと、相手には伝わりません。