品質の改善

品質改善について、経験上いろいろ言いたいこと

品質改善のための定石

 工程不良や製品苦情などに対する品質改善のためのやり方としての定石はQCストーリーであろうとおもいますが、私の確認の意味もあり、説明してみます。
 QCストーリーにはいくつかの型があるのですが、問題を解決していく「問題解決型QCストーリー」がメインであろうと思いますので、「問題解決型QCストーリーで説明します。
 「問題解決型QCストーリー」は8つのステップがあるといわれています。

ステップ1 テーマの選定
ステップ2 現状の把握と目標の設定
ステップ3 活動計画の設定
ステップ4 要因の解析
ステップ5 対策の検討と実施
ステップ6 効果の確認
ステップ7 標準化と管理の定着
ステップ8 反省と今後の対応

1.テーマの選定

問題点をまとめて、問題点の把握を行います。つまり改善対象を明確にします。
普段から問題に気づいたらメモなどをしておくようにします。
早急に対処しなければいけない品質問題だけでなく、いろいろあると思います。
日常業務で困っていることや、いずれ起こるだろうと思われる問題、
品質を不安定にしている問題など、問題点を考えていきます。
その中から、解決したいテーマを選定し、その選定理由も明確にします。

2.現状把握

選定した問題について、現状の事実を把握します。
5W1Hの観点(いつ・どこで・誰が・なぜ・何が・どのようになっているのか)で把握します。
もし欠けている部分があれば、データを改めて集めます。

3.目標設定

何を、いつまでに、どのくらい改善するのかといったことを決めます。
項目・期限・目標値を明確にします。
例えば「不良率を5%減少させる」とか「100万円コストダウン」など、後々、効果が測定できるような目標にします。

4.原因分析

問題の発生原因と流出原因を明らかにします。
なぜ不良品を生産したのか、なぜ不良品が顧客まで届いてしまったのかなどを分析して明らかにします。
原因分析を行う中で4Mといったものを使うと原因を整理しやすくなります

4Mとは、人:Man、機械:Machine、材料:Material、方法:Method の四つです。

5.対策検討・立案

対策案は不良やミスを取り除くことと、また不良やミスを次の工程や顧客に流出しないためのものの2種類必要です。
発生原因と流出原因のどちらに対しても必要になります。

6.対策実施

対策案に基づいて対策を実行します。
定期的に進捗確認をするようにします。

7.効果確認

対策前後で目標値と比べて、どのくらい効果があったのかを確認します。
3.の目標で項目・期限・目標値を明確にしましたが、期限後に何がどこまで達したかを確認します。

8.標準化・管理の定着

対策前の元の状態に戻ることが無いように標準化(歯止め)し、効果が定着するようにします。
ルールや標準書・社内表示などを作成し、改定していきます。
誰もが見えるようにして、必ず守らせるようにします。

このうちの1.から4.までがPDCAサイクルのうちのP(Plan)に相当すると思います。
5.と6.がD(Do)に相当します。
7.がC(Check)に相当します。
8.がA(Action)となります。

 このような、問題解決の定石であるQCストーリーを使用すると、全体計画が見やすくなり、問題解決の見える化が図れますし、進捗も解り易くなると思います。

 問題解決の際には使っていくべきだろうと思います。