品質の改善

品質改善について、経験上いろいろ言いたいこと

品質改善の流れ

 品質改善とはなんでしょうか。品質問題を改善することです。
 ここで、品質に限らず、業務上の問題とはなんでしょうか。
問題とは、ものの本によれば、「問題とは、現状とあるべき姿の差」です。
 「B製品の苦情が問題だ!」とは、苦情率が以前のA製品より悪いことが問題とされているわけです。
今回売り出したB製品の半年間の苦情率が8%だった。以前のA製品は5%だったので、今回の新製品Bの苦情率は悪い。これは問題だ、となるわけです。現状は8%だが、あるべき姿は5%だ(前回と同様、もしくはそれ以下だと思っていた)。
これは問題だ、となるわけです。それで、上から、B製品の苦情率改善の指示が出ます。
 ここで、通常はQCストーリーと言われるものに従って進められます。
QCストーリーとは、いくつかの「型」があるのですが、今回のような場合は、
「問題解決型QCストーリー」で進めるべきだと思います。
解決のステップは、
ステップ1.テーマの選定
   改善対象を明確にします。
   今回の場合は、「B製品の苦情率改善」
   です。
   
ステップ2.現状の把握
   選定した問題について、事実をしっかりと把握します。
   B製品の苦情率が8%だということを、しっかりと確認することです。
   
ステップ3.目標の設定
   何をどのくらい良くするのか目標値を設定します。
   B製品の苦情率を従来並みの5%にすることです。
   ここで、半年で達成する予定をたてます。
   
ステップ4.原因分析
   問題の発生原因と流出原因を明らかにします。
   苦情情報や製品検査、工程検査などの情報から、発生原因を解析し、
   検査項目・検査方法などから、流出原因を明確にします。
   
ステップ5.対策立案/実施
   ECRSの原則で改善案を立案し、実施します。
   
   ECRSとは、業務改善を実視する上での4原則です。
   ECRSは、Eliminate(排除)、Combine(結合と分離)、Rearrange(入替えと代替)、Simplify(簡素化)の
   英語の頭文字を選択したものである。
   業務の改善においてECRSを適用すると、改善の効果が大きく、過剰や過小な改善も避けられ、
   さらに不要なトラブルも最小になることが知られています。
   多くの場合、設計変更や、作業方法の変更、また検査方法の変更が必要となってきます。
   
ステップ6.効果の確認
   効果を測定して、PDCAを回します。
   改善案を試作して解析・測定し、また、検査方法の改善なども確認します。
   
ステップ7.歯止め/標準化
   定着させる仕掛けをつくり、再発防止します。
   
   設計変更があれば、図面変更を正式に行う。
   工程検査の変更や、製品検査の変更があれば、検査基準書の変更を行う。
   作業方法の変更があれば、作業標準書の変更をおこなう。
   作業者の教育・訓練が必要なら行う。
   
 ステップ8.今後の課題
   今後の課題をまとめる。
   
   
 こうして、品質改善を行って行きます。
こういった業務の流れは、最初に決めておかなければ、ダラダラと流れていきやすいものです。
途中での変更も、順次、計画の変更を見える化しておかないと、関係者のなかで、承知していない人(忘れている人)が出てきかねません。
 最後に、終了のレポートを提出して、終わりとなります。