苦情品の対応と処置
苦情品の対応ですが、私がいた企業ではユーザーが、販売店に苦情品を持ってきて、販売店から営業所に送られ、営業所からサービス課に来るルートがあります。
また、販売店からサービス課に来るルート。
さらに稀ですが、ユーザーから直接にサービス課(または総務課)に来る場合があります。
品質管理部門としては、苦情品を調べるわけですが、
1.お客様のコメント
2.販売店のコメント
3.営業所のコメント
4.サービス課のコメント
を読んで、現象の確認をします。
破損しているといわれて、その通りなのかどうか。
現象がお客様のおっしゃる通りなのかどうか、誤解や思い違いがないかどうか。
次に、現象の確認が出来たら、原因を調べます。
5.組み立て不具合のせいかどうか
6.部品の不良化どうか
7.過度な使用のせいか(取扱い説明書の注意書きを守っていないと思われるか)
8.メーカーサイドが想定していなかった使用方法の可能性が高いかどうか
5.、6.であればメーカー責任で無償修理あるいは新品と交換、またはお客様が希望する場合は現金返却となります。
7.であれば、有償修理か、そのまま返却(お客様が希望する場合)です。
8.は状況によりますが、6.に準じて、お客様との相談になりますが、無償修理かと思います。
こういった処理は、手順書などに従って処理されます(「苦情処理管理要領」など)。
苦情品の処置は、できるだけすばやい対応をするべきです。
お客様はその間使用できないわけですから。
さらに、苦情の原因により、責任部門をはっきりさせて、後の対応を依頼しなければなりません。
製造上の問題なのか、設計に問題があったのか、場合によっては、企画に問題があったのか。
製品仕様に問題があったのであれば、ランニングチェンジであっても、仕様変更を行うのかどうかも検討しなければなりません。
また、一連の苦情品処理記録は、サービス課の「苦情・修理一覧」に記録されていきます。
これらの記録を元に、定期的に品質状況報告会として発表されます。
その際に、苦情率の高いものや、重要度の高いと思われるものは、詳しい原因分析をおこない、改善処理をおこなうかどうか検討されます。
これらの苦情情報は、次回の新製品の開発に際しても、とても参考になる情報です。設計部門も大いに参考・利用して欲しいものです。
こうした苦情からの改善や設計へのフィードバック、製造へのフィードバックは大きな目で見て、製品品質のPDCAと言えるかもわかりません。こういったPDCAの上昇スパイラルを回して、品質改善を行うべきだと思います。1部門だけでは難しいですが、
全社的な協力で品質改善を進めたいものです。