試作品をテストして品質を改善する
開発段階で新しい機構や方式を検討している際に、試作品を製作して、
実際にテストを行ってみて、採用するかどうかを決めることがあります。
こういった初めての(例えば、初めての機構を採用するなどの場合)場合は思わぬこと
が起こることがあります。設計段階では考えていなかったトラブルが発生することがあります。
ではどうするのか。トラブルの真の原因を探り、原因を取り除いて、対策を取り、
試作品を作り直して、再度テストを行います。結果トラブルが解消されれば、量産試作に取り掛かり、量産のための”妥当性の確認”を行い、結果、OKであれば、晴れて、新機構での新製品を売り出せるわけです。
この真の原因を探るということは、結構難しい場合があります。不具合として出てくる現象が現れるには必ず原因があるのですが、真の原因と不具合現象がすぐ繋がっている場合は簡単です。しかし、間に別の項目が絡んでいる場合は厄介なことが多いものです。
こういった試作品の評価を行う場合に(行う以前に)、まず検討することは、
1.テストを行う試験装置が従来のもので、テスト可能かどうか確認する。
可能ならよいが、不可能なら、試験装置を改善する(この場合は日数がかかり
ます)。
2.テストする条件を決める。
多くの場合、新製品であれば、何かの機能をパワーアップしたいから変更する
ものです。
当然ながら、従来品とは違う条件でOKとならなければダメなわけです。
3.新しい部品・製品で、顧客から見て、製品使用上の不具合がないか検討する。
可能性があれば、変更する必要があります。
4.新しい部品・製品で、製造上の問題点がないかどうか、検討する。
あれば、製造上の治具の変更、設備の変更で可能なように検討する。
5.新しい部品・製品の場合、製造のバラツキが大きくなりがちです。
設計上での検討を行うのはもちろんですが、試作品での確認も行うべきです。
また、試作品でのテストがOKとなった後の、量産試作品準備として、
6.試作品テストや試用後の検討会での評価で、量産に向けての図面修正や仕様書の
改定があります。それに合わせて、検査基準書の変更もあるものと思います。
7.製造工程での作業標準の作成(従来品の改定が多い)があります。
そして、量産試作品のテストが行われます。
8.量産に向けての最終チェックとして、製造のバラツキを確認します。
量産での不良率に関係するので、不良率、工程能力指数などを数字で掴む必要
があります。
経験上、量産試作での不良率よりも、量産での不良率が良くなることはあり
ません。悪くなります。
量産に移ってから、何らかの改善を行った場合は別ですが。