品質の改善

品質改善について、経験上いろいろ言いたいこと

ISO9001内部監査で不適合が出た時

 品質管理体制の見直し、改善の切っ掛けとして、ISO9001内部監査で不適合が出た
時、があります。
 一般的に内部監査の目的は大きく分けると二つあると言われています。
 一つは適合性の監査、つまりルールを守っているか監査することです。ISO9001の

規格要求事項やマニュアル、規定などの文書で決められていることを守っているか
確認することです。
 もう一つは有効性の監査と言われるものです。
マネジメントシステムが目的に役立っているのか確認する。
簡単に言えば、「お客様満足度の向上」のために、PDCA等を回して、改善されているかというようなことでしょうか。
 改善活動について、効果が出ているかチェックすることが必要です。
私もそうでしたが、最初の頃は、適合性の監査ばかりが頭にあって、監査する方もされ
る方も適合性がOKであれば、満足していたように思います。
 というより、最初の頃は、有効性の監査というものはどういうものであるのか、あま
りわかっていなかったように思います。
今から思うと、恥ずかしい限りですが。

 というのも、最初の頃は、適合性の確認だけでいっぱいいっぱいでした。ISO9001の要求項目が、実際の業務上、どう適用され、運用されているのか。その結果、どいう記録があり、また、残されているべきなのか。内部監査などの前には、運用通り、要領通りに、記録が残っているか、間違いがないか、その確認に追われる日々でした。今から思えば、監査前のちょっとしたチェックで終わるはずのものが、記録に間違いがあったり、漏れがあったりして、訂正や作成し直しがあったりして、走り回ったものです。

 例えば、検査基準書を製造部門に配布した際の受領書がない(製造部門から受領印を押して返ってくるべきもの)と大騒ぎして、結果、製造部門が返し忘れていたことが判明したりしました。

 今は、電子システムで返ってくるので、受領を忘れるとすぐわかります。

 当時は、紙の文書が多かったので、こういった文書のやり取りが多く、その際の間違いも、たまに発生したので、監査前の確認は大変でした。

 さらに有効性の確認ですが、目標に対して、各部署で目標を立てて、活動されていると思います。

目標に達すればいいのですが、目標に達しなかった場合、不適合として、是正する必要があります。その場合でも、参考になればという気持ちで、監査員との間でアドバイスし合えればそうすればよいと思います。
 また、目標に達した場合でも、QCストーリー的に、効果の確認の仕方は妥当であったのか、標準化はどうするのか、残された課題は何か、などのチェック項目があろうかと思います。
 通常、内部監査は、決められたチェックリストに従って、進められていくのだと思いますが、チェックリストに従って、どのように事実を確認して判断していくのかというところは、監査員の力量で変わってくるように思います。
 同じ社員であることが多いと思いますが、なれ合いにならず、会社の品質マネジメントシステムが改善されていくように、考え、アドバイスし合えるようにしたいものです。

 また、ISO9001内部監査の全体の狙いとしては、

顧客満足を高めるために何をすべきか、しているか。
不適合製品を減らすために何をすべきか、しているか。
顧客要求に応えるために何をすべきか、しているか。
クレームを減らすために何をすべきか、しているか。
品質を高めるために何をすべきか、しているか。

等があります。

 こういったことを頭に置きながら、内部監査を進めていくことで、品質マネジメントシステムを利用にし、改善していくことで、品質管理体制が改善されていくように思います。