品質の改善

品質改善について、経験上いろいろ言いたいこと

品質管理で必要な文書を見える化しておくこと

 品質管理関係で使用する文書に関しては、以前は書籍などで触れることはあまりありませんでした。あったのかもわかりませんが、私は目にしたことはありませんでした。
私が目にしなかったのは、品質管理関係や品質改善関係の実用書が多かったせいかもわかりません。
 ですが、品質マネジメントシステムであるISO9001が広まったあたりから、ISO9001に関する文書管理に関しては見かけるようになりました。
 品質管理に関して、文書管理はかなり重要です。確認すべき規格や法令などは、確認の必要がありますし、先輩諸氏のレポート類も業務の参考になります。
しかしながら、ISO9001関係の書籍などでも文書管理の具体例については、あまり見かけませんでした。
具体例というのは、各企業で扱う文書に違いがあるので、説明しにくいためかもわかりません。
 そういう意味で、私共の会社でも、文書一覧表というようなものを作成していましたが、ISO9001の監査用というような扱いでした。あまり実用的ではなかったように思います。正直、抜けや、更新忘れもあったように思います。
 その後、ISO9001関係ではなく、情報セキュリティの面から、扱っている情報(文書、記録、その他情報)の具体化や監査の厳しさなどから実態に即したものに変わっていったように思います。ここで、ISO9001の文書管理一覧表とセキュリティ関連の情報管理一覧表が一緒になっていきました。
似たような内容ならひとつでいいだろうということです。
 当たり前ですが、情報管理一覧表には、どんな情報が、どこにあって、担当者が誰かもわかるようになっています。
該当する情報には、出来るだけリンクを貼れるようになっていますので、ものによっては、その一覧表からすぐに、内容を見れます。そういう意味では実務に即したものになって来ています。
 また、本来、品質管理という業務はいろいろな情報を参照しなければならないものです。
例えば、担当するJIS規格がどういうものであったのか、詳しく知る必要が生じたら、JIS規格を確認しなければなりません。改訂も何年かおきにありますし。
 また、関連する法令を調べなければならなくなることもあります。
そこで、新製品開発の流れから考えてみると、

1.新製品の品質目標を考案する際には、製品企画書や製品仕様書を確認する必要があります。
2.DR(Design Review、デザインレビュー、設計審査)前には図面の確認が必要です。
3.妥当性の確認(量産可否確認)の際には、製品評価表(品質基準一覧表)の確認が必要です。
  また、当然ながら、製品検査結果成績表の確認が必要です。
  結果、OKであれば、量産開始承認書を承認しますが、最後の経営陣の決裁を確認しないといけません。
4.市場に出てからの、苦情情報は常時確認して、異常がないかチェックが必要です。
  営業レポートの苦情欄は要注意です。
  サービス部門からの苦情返品も注意が必要です。
5.また、量産時の工程検査の結果を確認して、異常がないかチェックが必要です。
6.苦情や工程不良が問題であれば、不適合発生連絡票などを発行して、担当部署に対策を依頼します。
  再発する場合は是正処置報告書を出して貰うこともあります。
 こういった、製品の開発の流れ以外にも、諸々必要となる情報もあります。
 他部門が管轄する文書類で必要だと思われるものは、自動的に配布される以外のものも、交渉して、回して貰うようなこともやらないといけない場合も発生するかもわかりません。
 状況に応じた処置が必要になってきます。
 このような、情報類を常時、素早く見れるようにシステムを整備しておくのが、品質管理業務を効率よく行う上で大事であると思います。