品質の改善

品質改善について、経験上いろいろ言いたいこと

製品品質の改善の流れ

品質改善活動の流れについて考えてみたいと思います。
 品質の確認としては、市場での評価がまずあります。
まず、解り易いのは「苦情」です。
 「苦情」は意見であったり、苦情品として返ってきたりします。
 この苦情品の割合としての苦情率が、解り易い数字でしょう。
それは、苦情数を販売数で割ったものが一般的であると思います。
私が担当していた製品は、アウトドアで使用する製品でしたので、
耐久性や、破損の可能性もあり、時間と共に苦情率が増えていくものでした。
 なので、製品の品質を評価するモノサシの一つとして、発売後一年での苦情率を参考にしていました。
それは、季節によって、苦情に影響を受けることもあり、寒い冬と暑い夏を経験した後の一年後の苦情率でその製品の品質の評価の一つとしたい、ということもありました。
 ただ、新製品などで、発売後一ヶ月や三ヶ月での苦情の増え方も注視していました。そこで急激に増えた場合は、問題を抱えている場合が多いからです。
 その間でも、苦情で気になる件が起これば、関係者で集まって対策を考えます。
 このように、製品の品質評価としては苦情率というものは大きなファクターになります。
ただ、一年後での信頼できる数値が出るころには、対策としては遅すぎる時期であることは確かです。
 遅くなっても、改善すべき理由があれば、ランニングチェンジでも動きますが。
 また、新製品などでのチェックとしては、設計検証があります。
 私がいた会社では、設計検証は設計部門内で行っていました。
 その後に図面を書いて、出図となえいます。その後に、設計審査となります。
  設計審査は、図面と仕様書を元に、設計、品質管理、製造などの部門の関係者が集まって、製造の是非を検証します。そこで問題が出た場合は図面変更もあります。
 その次は、懸案がある場合は試作品作成となります。新規機構であるとか、新機材料での効果が読めない場合などに試作品で確認することがあります。設計部門で問題になった場合は、設計検証前に試作品を作成する場合もあります。
 この試作品でOKとなった場合は量産試作の製造がおこなわれます。
量産試作は、原則として製造の量産を想定したラインで製造されます。全て、量産と同じ条件では出来ない場合もありますが。
 この量産試作品を基に、”妥当性の確認”として、各種検査・測定を行い、結果OKと判断された場合、品管部門がOKと判断し、設計・品質管理・製造部門の了承のもと、経営陣の承認のもと、量産へGOとなります。 
 量産後、市場の評価としての苦情があります。(ない方がいいのですが、なかなかゼロにはなりません)
 また、販売店での評判なども、評価の参考になります。
 こういった評価・チェックの流れを毎回行って、よりよくしていくのが、製品の品質改善のノーマルな流れとなると思います。