品質の改善

品質改善について、経験上いろいろ言いたいこと

工程不良の削減の仕方

 工程不良にもいろいろありますが、
1.入荷してくる部品の不良
2.途中工程での不良
3。出荷時の製品不良

などがあります。
 各工程での今までの経験から想定される工程不良率があります。
それより、不良率が上がると、対策をしなければなりません。何か不具合が発生していると思われるからです。

まず、1.の入荷してくる部品の不良ですが、今までよりも不良率が上がっているのであれば、部品の依頼先でなにか、問題が起こっていると考えられ、依頼先の担当者に不良の実態を知らせ、原因の究明と流出原因、そして対策の究明と連絡をお願いします。この依頼は必ず文書で依頼し、また文書での回答をお願いします。
 また、不良の内容がいままでと違っているのであれば、不良率が低くても確認を求めるべきです。
なお、優先度としては、流出対策、流出原因、不具合事象の発生原因です。全ての内容を知りたいわけですが、まず、すぐ知りたいのは、正常な部品がいつくるのか、ということです。そうしないと、こちらの生産計画が立たないわけですから。
 そもそもの原因を解析して、品質改善をすべきですが、なによりも優先していただきたいのは、正常品を迅速に入荷して貰うことなわけです。
 次に、2.の途中工程での不良が発生した場合、不良率が増えているのであれば、やはり、原因の究明と発生原因(元となった原因と不良が発生した原因が違う場合があります)、そして対策を考えなくてはなりません。また、不良率が増えていなくても、不良現象が今までと違っていれば、原因を究明すべきです。
この場合も優先すべきなのは、流出対策です。流出させないことです。
 最後に、3.の出荷時の製品不良が発生した場合も、同様に不良率が増えているのであれば、原因の究明と発生原因の究明、そして対策です。また、不良現象が従来と違っていれば、原因を究明すべきです。
また、優先すべきなのは、流出対策です。

 工程不良の対策は基本的には、製造での条件の変化によることが多いのは事実です。
 たとえば、
 1.設備の設定条件の変化
 2.設備の故障・老朽化
 3.作業者が変わったことによる未熟練
 4.製造方法の変化による誤解・作業ミス
 5.材料の変化によるもの(材質変更まではいかないが、硬度が変化したとか)
 
 これらはよく言われる"4M"というものになるかと思います。
 
 しかしながら、時々設計に無理があって、製造しずらい状況があるのも事実です。
こうした場合、設計審査の時点では、設計部門も、製造部門、品質管理部門も量産に問題があるとは、思っていなかった、というのが本当のところでしょう。
 量産試作段階でも、あとで考えると、少し不良が多かったかな、という程度のことが多いのです。
実際には、問題になった部品を作った業者が新規取引先業者で、試作段階では若干、不良が多かったがこれくらいならば、慣れれば不良も少なくなるだろうと甘く考えていて、量産試作段階では、選別して良品のみを納入していて、関係者は気が付かなかった、ということもあります。
 設計者としても、設計時は形状が従来とはだいぶ変わったので気にしていたが、試作段階では問題がでなかったし、どこからも問題視されなかった。後は、製造と納入業者で何とか対策してほしい、といのが本音です。
もう次の新製品の設計で手いっぱいなのに、量産品の対策を考えて欲しいと言っても、勘弁してほしいというところです。
 ただ、本質的に不具合があるのなら、設計変更すべきではないでしょうか。これは、設計責任ではないのかもわかりません。
しかし、設計変更で不良率が減少するのであれば、検討に値することだと思います。
 勿論、もっと技術力のある業者を探してきて、コスト的に見合うのであれば、依頼業者を変えるという方法もあります。
設計責任だ、製造責任だと簡単に決めにくい問題は大変です。最後はいい製品を作るためには、ということで関係者が話し合って、その後に、解決が付かなければ、経営陣が決定することかもわかりません。