品質の改善

品質改善について、経験上いろいろ言いたいこと

苦情品の解析の仕方

 製品苦情は、苦情品として来たり、電話や手紙、メールで来たりします。
しかし、原則として、苦情品(製品)で預かるようにしています。
実際に問題を起こしている製品を預かり、問題となる現象を確認しないと、お客様のおっしゃることが本当かどうかわからないからです。
 これは、お客様が嘘を言っているということではありません。お客様はお客様の理解のもとに、苦情品(お客様が問題を発生していると思っている製品)を使用に耐えないと判断しているわけです。
 なので、お客様のおっしゃるように思考して、何が問題なのかを突き止める必要があります。
大抵の場合は、一通り製品を動作させてみると問題点が判るものです。
しかしながら、一通りの動作チェックでは問題点が見つからない場合があります。
 その場合、
 
 1.想定外の条件で使用された場合。
 2.お客様の勘違いで、動きなどが異常だと判断された場合。
 
 の二通りがあります。
 
 1.想定外の条件で使用された場合:
 
 普通にチェックしてみてもわからないので、お客様におたずねしないと判断が出来

 ません。まず、状況を詳しく教えていただかないと何とも言えないわけです。
 過去の経験から言えば、
 
 ○ 使用温度が許容範囲外だった(使用可能温度より低かったなど)

   詳しい状況をお聞きしてみないと、解らないことがおおいものです。

   お客様は、この状況が異常だと思っていなければ、わざわざ使用温度までは

   言い出しません。しかし、これは、当然、取扱い説明書に記載されています。

   ご説明して、了解していただくしかありません。
 ○ つなげている備品が他社のものだった(当社の備品ではなく、動作を保証した

   ものではなかった)
   これも、苦情連絡書などに記載されていないとなかなか解らないものです。

   同様に、使用できないことを説明しないと納得していただけないことが多いです。
 ○ 問題なのは、想定外の条件ではあるが、設計時点で想定すべきであったと思わ

れる条件の場合です。
   取扱い説明書にも、使用できないとは記載されていないわけです(想定していないので、当然ながら記載していない)。正直に、この条件では使用できない旨、謝らないとしょうがないでしょう。次期製品には検討させていただきますと、お詫びするしかないと思います(検討できるかどうかの可能性は設計部門の判断も貰わないと、勝手な回答は出来ませんが)。
   
 2.お客様の勘違いで、動きが異常だと判断された場合
 
 これも、普通の動作チェックでは、異常現象が発生しません(当然ながら異常では

 ないので)。
 この場合も、お客様に状況を詳しく確認することになると思います。
 
 こういった、苦情品確認時の情報は品質改善、製品機能改善のための貴重なネタとなることが多いので、関係部署にも回覧します。