品質の改善

品質改善について、経験上いろいろ言いたいこと

検査で品質を向上するには

検査は品質を評価して保証するものだと思います。
製品や部品の品質と設定された品質基準とを比較して、合格・不合格の判定を行い、
合格品は後工程に流し、不合格品は除外します。そうすることで、後工程の損失をなくします。
 このように、製品・部品の品質を保証するために、検査の管理サイクルを回しているわけです。
検査の管理サイクルとは、

1.検査計画を立てます。      --- Plan
2.製造品質などを検査します。   --- Do
3.検査をして品質基準と比較します --- Check
4.合格品のみを出荷します。    --- Action

です。
 このように、検査の目的は、後工程(お客様なども含めて)に品質を保障することです。

 また、品質が不満足であれば、その原因が何かを判断して、不良を出した工程にフィードバックして、再び不良を出さないようにすることも重要な業務です。

 確かに、検査せずに流していた工程に検査を追加することで、後工程の不良率が下がることはあります。

 これは、前工程の不良が、後工程の不良として、不良率が見かけ上、上がっていたからです。その工程の品質が上がったわけではありません。
通常は、品質は工程で作り込むものです。
 決して検査でできあがるものではありません。
検査をするだけでは、品質は良くなりません。
検査結果を解析して、不良の原因をはっきりさせ、検査の前工程がその検査結果・解析結果を利用することで、品質改善を行って、初めてカイゼンできるのです。

 このように、検査で直接的に品質を改善することは出来ないのですが、間接的に品質改善に影響を及ぼすことは可能なわけです。あなた任せではありますが。

 間接的ではあるのですが、品質改善に貢献できるのですから、積極的に行動すべきでしょう。

 ではどうするのか。検査結果をより「見える化」して、関係者の人達に現在の品質状況を知らしめる。そして、不合格が発生した場合には、その原因を解析する。もちろん、原因解析に関しては、品質管理担当だけでは、出来ないことも多々あります。製造担当や開発・設計の人々との協力体制がないと不可能なこともあるでしょう。しかしながら、品質向上のためには、こういった体制を構築して推進すべきでしょう。そして、原因をはっきりさせて、不良を低減させる対策を取ってもらうことです。不良低減の対策は、比較的製造工程での話が多くなると思います。そういう意味で、製造担当の方々には、対策に努力していただきたいと思います。それは、製造での利益増大にもつながると思うからです。

 また、設計品質に係わる場合は、開発・設計と製造の両方に係わってきます。事はある程度大きくなりますが、不良低減効果も大きい場合が多いのです。品質管理部門も、「やってよ。」で終わりでなく、積極的に関わり、行動すべきでしょう。そうすることで、検査結果から品質の改善・向上につなげていくべきであろうと思います。