品質を保証するための検査計画
検査の目的は、
1.製品の品質を後工程やお客様に保証すること。
2.不良による損失を未然に防ぐこと。
の二つです。
この目的に沿って検査計画を立てることになります。
検査計画は次の6つになるかと思います。
1.検査のやり方を決める
2.検査項目を決める
3.品質判定基準を決める
4.検査設備の管理を決める
5.検査の時期を決める
6.検査結果を確認する
以上です。
まず、
1.検査のやり方を決める。
これは、全数検査、抜き取り検査、無試験検査があります。
今まで検査結果が悪く、恒常的に不良が出ている場合は、全数検査になるかと思います。
ここで抜き取り検査にすると、不良品が検査をすり抜けて、後工程に行ってしまう可能性があるからです。
次に、通常は抜き取り検査が一般的です。ロットから定められた数量のサンプルを抜き取って検査を行い、定められた数量以内の不良で収まれば、合格とします。
最後に、無試験検査は工程が安定していて、工程監査などで、一定基準以上の品質であると判断された場合は無試験検査となります。
2.検査項目
検査項目は、寸法や重量などの計量的な特性や、傷、ヒケなどの計数的な特性など、多数の品質項目があります。
検査項目については、製品仕様や、部品図面などによって決められるのですが、過去の経験から決められることが多いものです。
3.品質判定基準
仕様書や図面の品質基準を基に、合格・不合格の判定基準を決めます。
計量値の基準は、概ね、公差や精度で決まります。
計数値の基準は合格の限度サンプルを決めて、限度見本とします。
4.検査設備の管理を決める
計測機器を使用する場合は、適切な周期で、精度校正を行う必要があります。
また、使用苗の日常点検を決めて、検査設備を管理するようにします。
5.検査の時期を決める
受け入れ検査とか、工程検査、製品検査(出荷検査)をそれぞれの時期に必要に応じて行うようにします。必要時応じてというのは、製品によって決めておくということです。
その時その時で変えるということではありません。
6.検査結果を確認する
判定を下した後は、不良が出た場合などは、不良の内容や状況をまとめ、品質報告書などとして、品質情報にして不良を出した工程に出します。
品質情報を貰った者は、不良の原因を分析して、処置・対策を行い、品質の改善を行います。
そうすることで、不良の再発を防止します。
そのために、検査・測定部門は検査の記録や報告書、検査の方法等を明確にしておく事です。
また、合格した場合も、後工程への品質を保証するためには、検査の記録を一定期間保存しておく必要があります。