品質の改善

品質改善について、経験上いろいろ言いたいこと

4Mを管理して不良を低減する

 モノづくりや品質に影響を与えるものとして、4Mというのがよく言われます。
4Mとは、

1.Material      --- 材料・部品
2.Machine     --- 設備・機械・治具
3.Man            --- 作業者
4.Method       --- 作業標準

 です。これに加えて、Measurement(検査・測定)を合わせて5Mと
呼ぶ人もいるようですが、Measurementは別に論じようと思います。


 これらの4Mについてのバラツキは、製造関係の問題として、不良低減に取り組んでいきますが、継続的に発生するトラブルは、前工程である開発・設計部門にフィードバックして、再検討し、必要と判断した際は設計改善に取り組み、設計変更を行って、
再発防止に取り組むべきです。
 というのは、慢性的に発生する不良というのは、無理な加工方法か、設計的に問題がある場合が多いからです。

 設計部門で見落としがちなのが、部品・材料のバラツキの度合いです。工程能力指数σn-1を使って実用的に、バラツキの範囲内であることを確認すべきです。
 確認できないものは使用すべきでは、ありません。
 材料メーカーや、部品メーカーから、バラツキの度合いが公表されないものは、テストを行っても、判断しにくいものです。こちらで、ある程度の数量を測定し、バラツキの度合いを推定しても、ロットによって変化する可能性もあるからです。メーカーとよほど情報のやり取りが出来る場合は別ですが、情報の公開がない場合は、こちらサイドでの推定は危険です。
情報公開のない材料、部品の使用は避けるべきだと思います。


 Machine(設備・機械・治具)の精度やバラツキに係わるために、使用前点検は徹底すべきです。
不良が出た場合は、使用前点検に抜けがなかったかということも検討すべきです。
問題があれば、使用前点検の項目や方法を変更すべきでしょう。

Machineの設定条件は重要な項目なので、当然ながら作業標準に明記すべきです。

その中でも重要な項目は、使用前点検で確認すべきでしょう。

 

 Man(作業者)の技能とバラツキを管理して、不良の発生が起きないようにしましょう。作業者の能力は、評価して、管理者は把握していなければなりません。

 そもそもなのですが、新人時代にしっかりとした教育・訓練を行うべきです。

また、不良発生後に技能の不足がわかった場合は、必要な教育や訓練を行いましょう。

 部署変更や、派遣社員契約社員などできた人も、しっかり評価して、能力に不足があれば、訓練しなければなりません。
 Method(作業標準)も同じように、不良が出た際には、検討を行い、見直し・改定が必要ならば、作業標準や必要に応じて作業手順、QC工程表を作成するようにしましょう。
 品質トラブルは4Mが3Hになった時、つまり(初めて、変更、久しぶり)の際に発生することが多いのも事実です。3Hの際は、関係者と連絡・打ち合わせを行い、確認事項がある場合は準備するべきでしょう。

 一番問題が発生する確率が高いのは、初めて、つまり新製品ですが、変更品や、久しぶりに製造するものも不良が出やすいものです。その際に、過去のトラブルが参考になりますので、準備段階でよく検討して、同じ失敗はしないようにしたいところです。