品質不正はどの企業でも起きる可能性があります
品質不正を起こす遠因としては、日ごろから規格外れの製品が平気で造られてしまう現場になっていることにあると思われるわけです。 要するに、品質状態の悪い現場ですね。
さらに、不良でも出荷してしまうコンプライアンス順守意識の低さという、こともあわせてが原因だと思われます。
不良が多いと、廃棄するにしろ、リワーク(作り直し)するにしろ、時間的にも、経費的にも大変になってきます。
また、現場サイドでは、D(納期)に対するプレッシャーはとても強いものです。
そのプレッシャーに負けて、納期を間に合わせるために、検査結果を改ざんして良品として出荷するという、企業も出てくるわけです。
これは、コンプライアンス違反として、企業の信用を著しく低下させています。
また、信頼性を著しく損ないます。今後の取引に影響を与えることもあるでしょう。
そこで、
1.コンプライアンス教育を徹底する。
2.品質不正を行えない仕組みにする。
3.検査を自動化してデータを改ざんできないようにする。
ことなどが提案され、実行されるわけです。
しかし、一番大事なことは、”品質重視”、”顧客優先”ということを全社的に理解して貰うことではないでしょうか。それがないと、製品が売れなくなるのだ、利益もなくなるのだということなのです。最終的には、企業が、市場から必要とされなくなることもあるのです。
これは徹底して全社的に周知してもらわないといけません。また、全社的にこの考えを広め、浸透させるのは経営者の責任です。品質不正が起きた場合、お客様や関係各先、世間に謝罪しなければならないのは、経営者なのですから。
そのための手法であれば、世の中にいろいろな書物があります。
また、望めば社外に講習会なども多々あります。勉強の機会はいろいろあります。
品質管理、品質保証部門はこういったことに協力し、いろいろな提案をしていくべきでしょう。
さらに重要なことですが、不良を出さないようにするためには、検査部門などを
独立させて、不良品は、権限を持って、しっかり、出荷を止めることです。
納期、コストはあるでしょうが、ダメなものはダメといえる権限を持たせることですね。簡単なようですが、いろいろな不祥事を見ていると、なかなかできていないわけです。
これはとても大事なことです。
製造や営業などは、圧力をかけて出荷できるなら、出荷したいわけですから。
検査はルール通りに行うんだということを周囲に徹底させることは大切なことです。
製造現場での人手不足も品質に影響を与える場合は、警鐘を鳴らしましょう。
ヒューマンエラー(人による間違い、失敗)というのは、今でも製造不良の大きな比重を占めています。その原因としては、人手不足による余裕のなさもあります。
また、トップに対して、積極的に製造現場に関しての情報を流しましょう。
現場で何が起きているのか。どんな悩みがあって、何を解決すべきなのか。理解していただくように、心掛けましょう。そうすることで、現場の実情を経営陣に理解してもらうように努めましょう。
結局のところ、目指すべき企業というのは、”品質重視”、”顧客第一”で、不良品の出ない生産をする。また、不良品が発生した場合は、社外に出さない。さらに、すぐに対策を取り、不良品が出ないように是正する。そうすることで、従業員もやりがいを持って業務を行い、関係先への信頼も築き上げていく。それが、市場でも評価されていくことで、信頼性も生まれ、利益も付いてくる、ということではないでしょうか。こういった全体の流れが、品質不正が起こりにくい状態(起こらない状態)になっていくのではないでしょうか。