品質を向上させる取り組みとしての基礎
品質を向上させる取り組みとして、やはり基礎になるのは品質管理マネジメントシステムを揃えることであろうと思います。
品質を向上させるには、関係部署の人々に品質意識をもって貰うことと、検査結果や監査結果など、現在の品質状況を見える化し、関係者全員で共有することだと思うからです。
特に、原因と対策を共有することで、同じ失敗をしなくなります。
こういうなかで全社的な品質マネジメントシステムは必要だろうと思います。
関係者が必要な時に必要な情報を得られることが大事だと思うからです。
ISO9000システムでなくともよいのですが、そういった全社員周知の(あるいは協力会社も含めた)システムがよいと思います。できれば世間的に知られたシステムが良いと思います、というのは、理解するための教材や資料が豊富にあるからです。私の経験によれば、インターネットの情報からだけでも結構な量の知識を得られます。
私はISO9001システムで品質管理業務、品質保証業務を行ってきましたので、ISO9001システムでのメリット、デメリットを述べてみます。
ISO90001のデメリット
1. 費用がかかる
①導入費用(社員の研修費、コンサルタント・審査登録機関)
②維持更新費用(更新時」の研修費・コンサルタント、内部監査の人件費、
社外審査費用)
2. 取扱文書・保管文書の増加
3. 維持のための人件費
導入費用はそれなりにかかりますが、できるだけ簡素に行うことを考えるできです。
取扱い文書も通常業務の文書をISO文書としていくことで、特別な文書作成を行わなくてもいいようにしていけば、煩わしさはなくなっていきます。
また、維持費用も通常業務になじませていくことで、簡素化を図れると思います。
維持のための人件費も、通常業務として行う方向で工夫すべきでしょう。
ISO90001のメリット
1. 契約や入札(特に海外取引)で有利
2. 社内の品質保証体制の確立
3. 顧客の信頼向上・満足度の改善、品質監査の省略・簡素化
4. 企業の差別化
5. PL法対策
(不良品の減少、文書化された記録により安全性を立証)
6. ISO14000との連携が容易
1.や3.、4.はよく言われることです。
私は品質保証担当者なので、2.の社内の品質保証体制の確立への貢献が大だと思っています。
苦情削減、未然防止などのために行えることは数多くあります。さらに、言葉が通じやすいことではないでしょうか。
ISO9001が無い時代であったなら、「手順書」といっても、それはなんですか、と言われて、一から説明する必要があったりしましたが、大抵の場合、理解していただけるようになりました。
さらに、不具合があって、「是正してください。」と言えば、相手も何をすればいいのか、今後のやるべきことが、だいたい想像できるわけです。
要するに、業務の効率が上がるのです。
また、5.、6.もメリットは大きいのではないかと思っています。
連携というより、規定などでも共有化できるものは、共有化すべきですね。
こういった基礎となるシステムが安定していると、品質を向上させる取り組み、業務がスムーズに進行すると考えています。