品質の改善

品質改善について、経験上いろいろ言いたいこと

品質管理とは

 突然ですが、品質管理とは何か、と言われてどう答えるか。
これは、私が若い頃悩んだ質問です。
 私は、入社時から品質管理部門だったわけではないので、いわゆる新入社員教育としての「品質管理部門とは」とか、「品質管理とは」などというレクチャーなどはありませんでした。
いきなり、同僚の仕事について、解らなければ質問してくださいという、よく言えばOJT(On the Job Training)、要するに、ぶっつけ本番でした。
いろいろ品質管理関連の書籍を読んでの結論は、製品の品質を向上させる管理だ、という一般的な答え。
その通りですが、なんか具体性に欠けますね。
 やはり、誤解を恐れずにいえば、企業の利益に貢献することだと思います。
勿論、お客様の要望に応えることで、企業を繁栄させる。その上での利益追求になりますが。
 利益を上げるためには、品質やコスト、納期、それに、よりよい新製品を出し続けることでしょうか。
 そして、これらの全てに係わっているのが品質管理だと思います。
このことは、品質管理部門の人間は常日頃言われていることで、皆承知していることだと思います。
まあ、私はあまり言われたことがないので、あまり自信はありませんが。
ただ、品質管理部門だけで出来ることではありません。
関係部門の方々の協力があって出来ることです。
関係部門の人達にも是非このことは理解して頂きたいと思っています。


 因みに、品質管理の効果というものを述べてみます。
(ものの本に書いてあることですが)

1.コスト削減
  不良品が減ると、品質が安定するので
  稼働率が向上し、人件費、設備費が減る。使用材料も減る。
2.納期の遅れが減る(または、納期遅れがなくなる)
  品質が安定することで、生産計画が立てやすくなる。
3.品質改善で標準化が進み、在庫削減が進み、効率化も可能になる。
4.検査費が削減できる
  不良が削減されることで、再検査の必要性が減り、苦情対応の人件費なども減る。
5.作業の効率化が進む
  品質改善を進めることで、製造や検査工程の作業改善が進む。
6.作業者の技能向上が進む。
  品質改善の過程での教育・訓練によって、作業者の技能が向上する。
7.エネルギーロスが低減される。
  品質改善により、エアーロスや電気使用量が低減される。
8.市場競争力UPができる。
  品質が安定することで、納入先の苦情が減少し、顧客の信頼度が上がり、市場での
  競争に有利となる。
9.職場でのモラルの向上が得られる。
  品質改善活動を通して、作業者の意識が高まる。
  5S活動なども、モラル向上にはよいと言われています。
  
等々です。

以上、品質活動による成果は大きいものがあると思っています(勿論、品質管理部門だけで出来ることではありません、全社的な活動があってできることです)。
 また、逆にいいますと、これらの品質管理の活動を全社的に行っていない企業は、いろいろな面でそれなりのロスや機会損失を発生させていることが考えられます。
 このことは、いろんな部署の人が理解して欲しいことです。