品質の改善

品質改善について、経験上いろいろ言いたいこと

品質向上のための人の管理

今回は、"4M"のなかで人(Man)の管理について、話をしてみたいと思います。
品質に限らず、人の管理というのはなかなか難しいところだと思います。
また、部門によっても悩みどころや育成の方法等、いろいろあると思います。
企画、設計・開発、製造、営業、品質管理などバリエーションがあると思います。
 各部門でそのなかでも、直接部門として、製造部門を考えてみます。

 品質に関係する要素(といっても生産性に関することになると思いますが)として考えた場合の人(多くの場合作業者、Man)とは、各個人が変わっても、製品、部品の出来が変わらないこと、バラツキがないことというのが、最低限の要求であろうと思います。個人差が大きく、出来栄えに差があると(極端に言えば、不良品もあれば良品もあるという状態では)困るわけです。
 また、それだけでなく、高いスキルを持っていれば、より有り難いわけです。品質の向上も望めますし、生産効率の向上も望めるわけです。
 スキルの向上ということで言えば、個人のスキルの向上と集団としてのスキルの向上の二種類があると思います。個人のスキルの向上については、上司は各個人のスキルの
実際を把握することは重要ですし、その向上のために教育や訓練の計画を立てて、
具体的にスキルアップしていくことが重要です。
 集団としてのスキルも重要で(私はこちらがより重要だと思っているのですが)、
こちらも実態の把握と教育・訓練の計画を立てることが必要です。小集団活用などで
実際に体験するほうがいいと思います。私の経験によればですが、実際に体験してみないとなかなか解りずらいものです。
 「5S活動」などで、集団としての成果を上げるという経験を積むことは大事だと思います。
また、個人としての成果を上げることには熱心だけど、集団としての成果を上げることには熱心ではない人がいますが、企業として、どちらがより貢献できるかと言えば、集団として成果を上げることが重要であると思います。
(これは小集団活動が重要であると言っているのではありません。いろいろな業務を行っていくうえで、集団としてどう成果をあげていくかということは重要であるということです。)
 ただ、人の考え方を集団的な活動の重要性というものを認識させるためには、「ちゃんと評価する。」ということも重要であると思います。評価もせずに、「重要だ重要だ。」と言っても、部下は納得しないと思いますので。
 教育・訓練について言えば、いかにしてモチベーションを上げるかということはとても大事だと思います。
 こうして、人としての資源をレベルアップしていって、それをいかにして、生産性向上のために使っていくか(品質管理部門としては品質改善するために使って貰うか)、より有効的に活用するかということだと思います。
 資源という言い方で、物理的表現しましたが、有効活用に関しては、クールに割り切ることが必要な場合もあるからです。