品質の改善

品質改善について、経験上いろいろ言いたいこと

品質向上のための「方法」の管理

 今回は、"4M"のなかで方法(Method)について、話をしてみたいと思います。
品質に関していうなら、方法というのは、いろいろ考えられます。
製品の企画の方法、設計・開発の方法、製造の方法、営業の方法など。
 そのなかでも、品質によく関係するのは
○ 設計・開発の方法
○ 製造の方法

 だと思います。他もいろいろ関係してくるのですが、多くの場合、この二つが関係してくるので、この二つについて説明します。
 
 まず、設計・開発の方法についてですが、今までのやり方で問題が生じたので、やり方を考えないといけないわけですが、そもそもの原因として、
 ①設計者の能力不足で設計が不十分だった。
 ②設計者のうっかりミスで間違った設計をしてしまった。
  というのがあります。
 ①の設計者の能力不足が原因である場合、その設計者に任せた上司の判断にも問題が
あるわけで、今後の人選や、そのサポートも真剣に考えてもらわないといけません。
 ②のうっかりミスの場合は、設計者のやり方(確認方法も含めて)を見直してもらわないといけません。勿論、上司の承認の仕方も見直しが必要です。設計工程で間違いのないOUTPUT(図面など)を出してもらう方法を見直してもらわないといけません。
 また、品質管理部門もチェック方法が妥当であったかの見直しが必要です。
 
 次に、製造の方法を見直す場合、基本として、QCD(品質、コスト、納期)の面からの見直しになります。勿論、品質に問題があって、見直すわけですから、品質中心の再検討になりますが、次の方法案について、コストや納期に関しても検討が必要になります。製造に関しての方法の見直しということになりますと、通常はQC工程表が必要になります。
ものの本でも、「QC工程表を元に、製造方法を検討して、最善の方法に変更する。」と記されていると思います。しかしながら、QC工程表が揃っていないことも、結構あります。
 実際は大抵揃っています。しかし、最新の状態になっていないことが多いわけです。要するに、変更や改訂がちゃんとされていないことが、結構あるわけです。なので、QC工程表の内容が合っているかのチェックが、まず必須となります。そこから、より良い方法の検討に入ることになります。
 製造工程の工程設計といっても、従来からの方法を踏襲している場合が多く、なるべく変更しないように、工程をつくられているように思います。
 たしかに、突然、大きく変更すると、予期せぬ不具合が出てくる確率も高く、アレンジ、アレンジと続いていく場合が多いと思います。しかし、問題が発生した場合は、従来のやり方から離れて検討してみることも必要だと思います。検討後、色々な想定を行って、妥当性を検討すればよいわけですから。最初から、「QCD」の「CD」を優先してはいけないと思います。「Q」の見直しなのですから。
 当たり前ですが、「方法」の検討といっても、「人」や「設備」と関連しているわけで、切り離して考えることは不可能です。作業者に合わせた方法、機械・設備に合わせた最適な方法を考えないといけません。