品質の改善

品質改善について、経験上いろいろ言いたいこと

品質向上のための材料の管理

 今回は、"4M"のなかで材料(Material)について、話をしてみたいと思います。
品質に関していうなら、材料の選定というのは非常に大事です。
新規製品の開発の場合がそうですし、苦情、リコールで変更する場合もそうです。
従来とほとんど同じ設計であるなら、材料も変更せずに、同じ材料を決定して終了となることが多いものです。
 しかしながら、よりよい性能を求めて改善したい場合は大変です。
通り一遍のチェックではだめで、あらゆる確認をすることが必要になってくることが多いわけです。
 例えば、アルミ材ひとつ取っても、JISで規定されている材料以外に、特殊な材料が存在する場合がります。
強度であるとか、耐久性であるとか、要望を相談してみると、「”○○材”とうのはどうですか?」と提案されることがあります。
「別の業界用に開発された材料ですが、ご要望の用途に使えるかもわかりませんね。」と提案していただける場合があります。
我々としても、従来の材料よりも優秀であれば、製品としては、業界他社よりもよりよい製品を出せるわけです。
ただ、"3H"(初めて、変更、久しぶり)の通り、初めての材料というものは、思わぬ落とし穴がある場合もあるので、いろいろなチェックを
行います。
 また、従来行っていなかったチェックが必要となった場合は、そのための測定機を導入することが必要になる場合もあります。
勿論、製品の仕様に関して従来のチェック方法や開発サイドの意見を取り入れたチェック、更に材料メーカーの意見も入れてチェックしていくことになります。
チェックの過程で、特性上問題が生じた場合は、材料成分の匙加減を調整して対応していただける場合もあります(いつもではありませんが。)
過去、問題になったことは
○材料の特性のバラツキ
○環境による変化(温度、腐食)
○製造方法による変動

 などですね。
 
 余談になりますが、このような、アルミ材などで、セミオーダー的な提案をしていただけるというのは、日本の材料メーカーの強みであると思いますし、日本で製造業を行っている私達製品メーカーの強みでもあると思います。
 またまた、話はそれますが、製造工程でいろいろな工具やセンサを使用しています。
それらのバリエーションの豊富さや、供給時間の早さ(故障、修理部品の届く早さ)なども日本国内は優秀だと思います。海外工場での遅さを聞いていると、余計にそう思います。
 以前に、開発メンバーと話したことがあります。日本国内で製品の開発や品質改善を行う強みはなんだろうかと。逆に言えば強みがなければ、開発拠点もろとも、海外に移してもいいわけです。
 その時に、話した結論は、
 ○ 日本というこの環境で、優秀な材料を手に入れることが出来ること。
 ○ 製造工程での優秀な設備を日本で素早く手に入れることができること。
 
 ということでした。勿論、我々も海外に伍して対抗しているつもりです。
 しかしながら、周辺、関連企業のサポートも大きいな、と思いました。