品質の改善

品質改善について、経験上いろいろ言いたいこと

品質向上のための設備の管理

 "4M"というのは、人(Man)、機械(Machine)、材料(Material)、方法(Method)という4つで、モノ作りの要素です。品質管理を考える際の要素なわけですが、最近、"4M"では不足だという人が出てきて、検査・測定(Measurement)を加える考えもあるようです。
合わせて"5M"と呼ぶ場合もあるようです。
 さて、今回は機械(設備という人もいます、Machine)について考えてみます。
設備が製品や部品の品質に影響を及ぼすのは勿論なのですが、設備といってもピンからキリまであるわけです。ネジ締めのためのエアードライバーから、プラスティック成型のための射出成型機や、金属板の成型用のプレス機械等、多種多様です。そういう意味で、業界も様々、機械も様々ということもあり、参考になる資料というのがあまりないのが現状です。
 私も、業務の関係で、品質向上や品質改善のためのマニュアル本などを探しましたが、なかなか見当たりませんでした。
 プラスティック成型のためのマニュアル本や資料などはあります。その中に、品質向上のための項目が数ページ載っていたりします。板金プレスのためのマニュアル本でも同様です。結局、それぞれが製造や設計のための本なわけです。品質管理のための本ではないわけです。誤解のないように言って置きますが、先ほどのように、品質のための内容も載っている場合もあります。ただし、200ページ位の本だったら、2~3ページといったところでしょうか。それらはピントの外れたものがほとんどです。
 それは、想定している業界が違ったり、また、対象サイズが違ったりでしょうがないこともあるでしょうね。
ではどうするか。まず、よく知っていると思われる人に聞くのが一番だと思います。例えば、講習会などで講師の先生に訊く。設備会社の人に訊く。エンジニアが一番いいのですが、サービスエンジニア、それもだめなら、営業マンでもベテランの人であるなら、結構知っているものです。そういう人に、品質管理のための設備管理の方法を訊いたほうが良いと思います。そうした場合、品質向上のために、といっても通じないかも

わかりません。相手は、品質管理のことをよく知らないかもわからないからです。

 具体的に、「バラツキを抑えたい。」とか「生産の精度を上げたい。」とかきくべきでしょうね。メンテナンスのことであれば、そのまま訊いたほうがいいでしょうね。

 そうして、設備管理の自社なりのマニュアルを作成すべきだと思います。
 また、設備が故障したら、そのときの記録を出来るだけ詳細に残して置くことだと思います。その記録を後で振り返ると、故障する時期とか間隔に周期性などパターンがある程度決まっていることが多いものです。
そういったことがわかれば、故障する前に消耗の多い部品を変えるとか、対策も立てれるものです。
 さらに、その設備の弱点が判ってくれば、買い替える場合は、その弱点をカバーしている機種に変更することも考慮でき、トラブル減少にもなります。
 私も、重要な設備にはメンテナンスノートを備え、記録していました。さすがに、全ての設備にとはいかなかったのですが、設備点検や管理には役にたったものです。
 そうして、設備の品質管理のためのマニュアルを作っていくことだと思います。まず、作ることです。
上司によっては、最初からちゃんとしたマニュアルを作るように言ってくる人もいます。しかし、最初からそれなりのマニュアルをを作成しようと思うと、まず出来ません。なぜか、こちらが良く解っていないので。
 そういうことで、項目は必要と思われる項目を書いて、内容は、抽象的に書いておくしかありません。
 例えば、「動作異常があれば上司に連絡する。」等。。。 そして、その時点で理解していることは、具体的に記入する。そして、だんだんと具体的にしていく(理解していく)。要は、少しづつ作り上げていくわけです。
 今の設備を今の製品用に使用しているのは我々しかいないわけで(多分ですが)、本当に役に立つマニュアルは我々しか作れないわけです。多分。。。