品質の改善

品質改善について、経験上いろいろ言いたいこと

全数検査相当へ

 製品や部品の信頼性を確保するために、検査工程があり、不良品を後工程や、市場へ出さないようにしています。このように、製品や部品の品質を保証するための検査業務というのは、生産性からいえば、付加価値を生み出さないものです。なので、大抵の検査業務は全数検査をせずに、抜取検査で済まされています。それは、時間的なもの、コスト的なものから来ています。抜取検査といっても、検査対象となるロット当たりの数に対して、検査する数を適正に設定することで検査の確からしさを確保することはできます。このあたりの抜取検査の方法や、不良率をどこまで抑えるかなどはJISなどで確立されています。
 ただ、安全性から見て重要なものや、機能から来て重要なものは全数検査されることもあります。時間とコストはかかりますが、全数検査を行うことは勿論あります。
 リコール後に一定期間、全数検査を行うことなどもあると思います。
 
 このように、全数検査を行うほうがいいのは確かなわけで、項目は限定されますが、全数検査を行う方法はあるわけです。
 この方法も昔から、行われている方法があるわけで、"ポカヨケ"という方法です。
例えば、切削忘れの部品をベルトコンベアの途中で狭いスキマを設け、切削忘れの大きな部品を次の工程に流れないようにするなど、要するに自動検査ですね。基本的に「検査時間無し」で検査を行うわけです。「検査時間無し」というのは、企業からすると魅力的な方法です。どの検査でもできるというわけではないのですが、いろんな工場で、現場の創意工夫によって、いろいろな"ポカヨケ"の方法が行われています。
例えば、
1.治具に間違った方向ではセットできない。
2.やることをやらないと製品をとりはずせない。
3.ワッシャーを入れた高さを見れる(確認できる)

 など、いろいろあると思います。
最近ではIoTを使用した治具・工具もいろいろあるみたいで、決まった部分のネジ締めを行わないと、次の工程にいけないなどの方法もあるようです。それらの治具は、自社製品ようにカスタマイズできるものもあるようです。
 製造工程での話ではありませんが、スーパーのレジで、買い物かごは赤い色だが、レジを通過すると黄色に変えるとかも一種のポカヨケかもわかりません。(スーパー側からの無検査チェックでしょうか)
こういったやり方や治具類を使用することで、検査相当の業務(それも時間を使わないで)を行えることはあるので、いろいろ工夫するべきでしょう。