品質の改善

品質改善について、経験上いろいろ言いたいこと

製品品質不正はなぜ起こったのか

 品質管理関係で仕事をしていたのですが、最近の品質関連事件を寂しく思っています。
 ほんの数社のことなのか、いやいや、どの企業でもあることですよ、ということなのか、私にはわかりませんが、ひとつ言えることは、会社全体の将来を思って行動していたら、こういうことは起こらなかったのではないか、ということです。
不正をしたら、企業のイメージを傷つけてしまう、将来発覚されたら大変なことになる、ということは中学生でもわかると思うのですが、今、目の前のプレッシャーをどうにかしようと思ったら、正常な判断が出来なくなってしまうのでしょうか。
 本当に困ったときに、相談できるのは、同僚であったり、上司だと思うのです。
そういった人には相談できなかったのでしょうか。また、上司もそういった相談は、そのまた上の上司に相談できる状況、空気ではなかったのでしょうか。結局、最後は経営者の考え方、とうことになるのですが、そういった企業の経営者は、”品質第一”、”顧客第一”という当たり前のことをわかっていなかったのでしょうか。「わかっているよ。」と言っても、常日頃、部下に言っていなければ、わかっていることにはならないわけです。「言わなくても、わかっていると思った。」では、後の繰り言にしかなりません。

結果的に、わかっていなかったということになるのでしょうね。
 日本企業の”売り”は、技術と品質の追究にあると思っているのですが、そう思って
いない企業経営者もいるようです。

 不祥事を起こした後の記者会見でも、ちゃんとした謝罪もせず、話をする経営者
もいました。
 やはり、品質に関心のない経営者もいるのかな、という気もします。
これでは、品質に直接関わらない社員は、「品質なんて俺たちには関係ない」と
思ってしまうだろうな、と思います。
本当は、全社的に取り組まないと、品質改善は難しいと思うのですけどね。全社的に”品質第一”、”顧客第一”という意識が伝わっていなかったのでしょうね。
 このように、問題を起こした企業も、業界ではそれなりに名も知られ、また、技術的にも信頼のあった企業だと思うのですが、基本を忘れてしまったのでしょうね。利益追求にのめり込んだのでしょうか。そうとしか思えない状況ですね。
戦後の日本企業は、”安かろう、悪かろう”の製品から、品質の改善を重ねて、世界から
評価される製品を作り上げてきました。
 今、問題を起こしている企業も、そういった努力の積み重ねで評価を得てきたのだと思います。
そういった先人の努力を忘れて、”品質”をどこかに置き忘れてきてしまったのでしょうね。
もう一度、原点に返って、真摯に現実に向き合って欲しいと思います。
また、そうしないと品質改善など、出来ません。
 ただ、こういった改革は日頃の地道な努力が大事です。現在の四半期、半年での結果を求められる企業では、できるのかな、という不安もあるのですが、なんとか、改革を断行していただきたいと思います。そうしないと未来はないと思うのです。

 こういった厳しい時代だからこそ、製品を作る企業、製品を販売する企業は、戦後間もない頃に、苦労に苦労を重ねて、お客様の要求に応え、信頼を頂くために、地道に努力してきた、先輩たちの道のりを振り返ってみるべきでしょう。このことは、経営者だけでなく、全社員、株主にも考えていただきたいことです。そういったビジネスの根本の考え方を思い出していただきたいし、また、関係している業界の方や、関心のある方々の考えるネタになればと思い、この記事を書き出しました。

 次回からは、品質に関して思っていること、やってきたことなどを述べてみたいと思います。よろしくお願いします。