品質の改善

品質改善について、経験上いろいろ言いたいこと

品質改善での標準

 改善か改悪かわかるのは、標準があるからだという話があります。
改善とは、何かを変えるということ(通常は良いと思われるほうへ変えること)なわけです。
良いと思っているほうへ変えるためには、標準と比較して確かに良い変更だと判断する必要があります。
標準がなければ、標準を決める必要があります。
 Aという部品を製品に組み付ける順番を変えたほうが、不良品が減りそうだと考えた場合、標準となる組み付けの順番があるわけです。それを変えて、不良率が向上した場合、新しい順番での組み付け方法を標準として、設定し直します。
 品質改善を行う際に、一から最善の方法を考案して、創り出すことは稀です。そういことがないではないですが、通常は、現状のやり方の悪いと思う部分を改良して良い方向に持っていくということを行うわけです。そこで、現状というのは、大抵の場合、標準の方法なわけです。
 現状の方法(標準方法)で行っていて、問題が起きるから、改善を考える。問題が起きるのは、多くは、状況の変化による場合が多いものです。
〇作業者が変わった。
〇使用する部品が変わった。
〇使用する設備が変わった。
〇コストを削減する要請があった。
〇今より品質をアップする必要が出てきた。

 等々。
 このような、状況の変化に対応するために、現状より良い方向への変化を検討し、改善方法を創出するわけです。
 品質改善というのは、このように、PDCAの繰り返しなのかもわかりません。
  但し、ここで基本にすべき標準があやふやなことが多いような気がします。
 現在の工程状況を明示しているべきQC工程表が、最新の内容に更新されていないとか、作業標準書の内容が、やはり更新されていないとか。こういったベースとなるべき標準の内容がはっきりしないことがあります。これでは、確かな検討・改善ができないわけです。勿論、詳しく調べて現状を洗い出すわけですが、それだけでも、相当な時間を浪費してしまうことが多いものです。
品質に限りませんが、文書や記録は間違いや抜けがあってはいけません。それは次のステップに進むための足掛かりになるものだからです。地味で、手間のかかることですが、こういう仕事は大事です。
 こういった改善業務は終わりがありません。それは、なかなか100%不具合をなくせないということもありますが、先ほど説明した状況変化が、結構発生することも大きいわけです。
 一つの状況変化に対応できたと思ったら、次の変化が起きている。そこで、それに対応する準備をして、実行に移す。
 品質改善とは、こういった繰り返しになることが多いものです。しかし、こうした中で,部署の目標に向けて進んでいく、また企業の目標に合わせて進んでいくというのが改善業務だろうと思っています。