品質の改善

品質改善について、経験上いろいろ言いたいこと

品質管理の仕事

品質管理というものを、簡単に言い表せるといいのですが、なかなか難しいものです。
品質管理の仕事は、一般的には、工場内での品質関係の仕事になります。
以前は、品質管理は、不良品が市場に出ないように、最終の検査をおこなうことが、主な仕事でした。
しかし、不良品をはじくだけでは、廃棄、再作成(リワーク)が多くなってコストアップになってきます。
現在では、「品質は工程で作り込む」ことを、合い言葉に、製造現場で不良をださないように工程を管理、改善しています。
、品質管理部は、製造部のサポート的な役割です。
品質管理部としては次のような仕事があります。

QC工程表の作成、維持、管理
標準書の作成・更新
検査機器の調整
検査業務(原材料、製品)
方針管理
ISOの事務局的仕事
工程異常に対する原因追究と対策
工程改善
製造部などへの品質教育の実施
などです。企業によっては、品質管理部の仕事でないものもあるでしょうが、品質管理、品質改善に係わる仕事としては、以上のようなものがあると思います。

 このように品質管理という仕事を行っていく上で、いろいろな業務がありますが、

その中でメインとなる業務は何か、となると私は、
「評価」と「改善」、「予防」であろうと思っています。
 改善と予防はやり方も違うところはありますし、共通しているところもあります。
 もちろん、この三つだけでいい、と言っているわけではありません。
 新製品の品質基準を決めるに当たっては、新機能をどう評価するべきだとか、
評価レベルをどの程度にするべきだとか、「評価」の前段階で行うべき業務もいろいろとあります。
 「評価」後の「改善」や「予防」に関する計画策定も重要な業務です。
 ですが、あえてシンプルに言えば、「評価」と「改善」、「予防」をどう実行していくのかということが品質管理を実行していく上で重要だと思っています。
 ここでの「評価」という業務には
  ・検査(部品検査、製品検査、受け入れ検査、出荷検査、etc)
  ・DR(設計検証)
  ・妥当性の確認
  ・工程内チェック、工程内検査(外注先チェックを含む)
  ・監査
  ・苦情品チェック
 等を意味します。
 要するに、品質を確認することです。
 次に、「改善」ですが、
 上記の品質確認の後、問題があれば、問題を解決していくことです。
品質管理や品質保証上、問題とは
 ・目標や基準と現状との差であり、また、解決すべき事柄をいいます。
ここでは、よく言われるQCストーリーというもので、手順を踏んで、改善作業を行っていくことになります。

問題解決型QCストーリーの手順は
1.テーマの選定
2.現状の把握
3.目標の設定
4.原因の分析
5.対策立案/実施
6.効果の確認
7.歯止め/標準化
のステップでQC問題を解決していくものです。
これ以外に、課題達成型のQCストーリーというのもあります。

最後に「予防」ですが、実はこれが一番難しいのです。
改善を水平展開していく予防もありますが、企画・開発段階から予防するには、将来発生するであろう、不具合を想定する必要があります。
不具合を想定する場合、あらゆる場面、状態を考え、どのような不具合が起こるか考えないといけません。
 しかし、大抵の場合、思っていなかった状態で問題が起こり、最悪の場合はリコールといった事態が発生します。
 予防と言ったり、未然防止と言ったりしているようです。
未然防止の手法としては、FMEA(Failure Mode and Effects Analysis)というものがあります。
過去のトラブル・事故の原因となった失敗を整理しまとめる。
そこから失敗モードと言われるものを作成する。
それぞれの失敗についてRPN(危険指数)というものを求めて、対策の必要な失敗をきめて、対策するなどです。私の理解としては、起こり得るあらゆるリスクを考え、リスクに関して段階評価し、リスクの高いものについて、あらかじめ対策を行うということでしょうか。

未然防止を行っても、完全ということはありませんが、やはりこういった、不良発生や事故発生などを削減できるわけですから、推し進めていくべきであろうと思います。