品質の改善

品質改善について、経験上いろいろ言いたいこと

品質問題のカイゼンについてどうすれば

IHIや他の企業に見られる品質不正について、ネット記事でいろいろ目にするが、
まず根本原因と思われる事柄をあげてみます。

  1.品質に対して甘い企業風土であること。
  2.現場での品質に対する意識の低さ、あるいは欠如があること。
  3.品質保証体制が不十分であること。
  4.不適切な表示や検査であることと予防と発見体制が不十分であること。

 が言われています。
 言われていることの全てが理解できるわけではないので、適正かどうかはわからない部分もあります。

 しかし、報道されている内容、記事から大半の関係者は軽く考えていたのではない  か、あるいは品質に関してはあまり考えていなかったのではないかと思われます。
ここで理解してほしいのは、試験データの改ざんや不適切検査は契約で定められた内容を満たしていないということです。
  これは意図的な誤魔化しがあったわけで、きびしく言えば、「詐欺行為」なわけです。

 それでは、解決策として

  1.ガバナンス(経営管理、企業管理)の問題を考える
  2.企業文化醸成や教育をどうするかという問題
  3.新たなテクノロジーにより不正が行えない仕組みを考える(自動検査等)

 等が言われています。
 しかし、多数の分野での有効な解決策が見つかっているわけではないようです。
私の経験から言わせていただくと、
 
 営業が無理な納期を押し付けていないかということがあります。
 受注する前に、実行可能な業務なのか、関係者の間でよく検討する。よくあることですが、「この仕事は、社長命令だ」というような、”絶対やらないとダメ!”みたいな決めつけで終わるのはダメです。もしも、絶対にやらないといけないのであれば、無理のかかるところの是正計画を立て、全社的な協力を取り付けておくべきなのです。

納期重視なら検査項目を簡素化できないか顧客と相談する。
 当然、品質上のリスクは上昇します。問題が起こった場合を想定して、その際の是正方法は相談しておく。
 検査員不足が想定されるなら、管理職は増員や検査項目の簡素化を考える。
当然ながら設計サイドや顧客側の了承が必須となります。
 検査員への派遣社員の適用は慎重に行いたいところです。
 私の経験から言えば、派遣会社も嫌がる方向にあると思います。ということは、人件費の当初より上げることになると思います。(派遣会社も経験、ノウハウを持った社員は貴重な人材です)また、検査には固有の技術の理解・経験が必要となります。
  特に、該当会社特有の固有技術の理解・経験が必要だからです。
 また、納期短縮というのは、先ほどの設計変更(製造・検査方法変更のための設計

 変更です)や検査員の補充のための研修など時間のかかる事柄があります。
  そのへんの全社的な理解がないとうまくいかないものです。
 とにかく結果オーライにしてくれ、という勝手な要求を出されると、どこかに必ず

 無理が出ます。検査などの業務はあまりわからんから、適当にやってくれ、しかし納期は間に合わせてくれ、ではうまくいきません。
 結果、このような検査不正というような事態が出現するわけです。

  納期短縮であるとか、コスト低減であるとか、良い結果を得るためには関係者

(時には顧客側の関係者も)が一丸となって相談・協力しあわないとなかなかうまく

いかないものです。

 やはり、全社従業員が人任せにせず(品質保証担当者任せにせず)、皆で相談・協力し合うことではないでしょうか。
 そういうことをしないと、このような企業のようになるのだということを、経営陣が全従業員に説明することではないでしょうか。結局、しんどいことは、一部局まかせにせず、全社的な協力体制でいかないと乗り切れないということです。考えれば当たり前なのですが、皆さん、出来れば、しんどいことから逃げようとするわけですね。そこを逃がさないようにするには、最後は経営陣の指示しかないように思います。