品質の改善

品質改善について、経験上いろいろ言いたいこと

検査で不良が出た時に品質を見直す

品質管理体制の見直し、改善の切っ掛けとして、製品/部品不良が出た時、
があります。
 例えば、毎朝前日の検査での不適合状況を報告している場合、不量率が○○%を超えたら対策するとか、内容により重要な不具合だと判断したら対策するなどと決まりがあると思います。
 結果的に設計、製造条件、製造手順などの問題が発覚するかと思います。
 そういった場合、改善を行うことになると思います。それらのプロセスを改善する
場合、手順を変更したり、設計変更を行ったり(多くの場合、図面を変更することに
なると思います)、工程変更をおこなう(工程フローチャートを変更する)ことになろうかと思います。
そうして一連の文書等が変更されることになるであろうと思います。
 これらの改善を行う場合、事実に基づいた原因解析を行い、対策を立てることになります。
 また、さらに大事なことは一連の改善をレポートにして残すことです。
 よく言われる”過去トラ”(過去トラブル)ですが、後々見やすい(”見える化”された)
レポートがあることで後々の人に利用されて企業の財産になるのだと思います。
 こういったことは一般的によく言われるのですが(書籍などでも)現実に実行されるのは大変です。見やすく整理されたレポートにまとめるのは時間もかかり、当事者にとってはあまりメリットのないなのです。というのは、当事者にとっては実体験という、レポートなどよりよほど内容の濃い財産がすでにあります。後は他の人や、後々の人に理解しやすいような資産を残すことなのですが、そういった”事後処理はどこまで評価されるでしょうか。ただでさえ時間のない日常で、他の人が理解しやすいようにと配慮してレポートを作成することはなかなかできません。
 通り一遍のレポートを作成して終わり。それで上司も真剣に検討せず、「わからなくなったら、担当者に聞、」で終わっているのではないでしょうか。
結果的に”過去トラ”として使えるものになっていないのが大半ではないでしょうか。
 不適合から是正処置まではストーリーだと思います。
その改善のストーリーを"5W1H"で説明しないとなかなかわかりずらいものです。特に、当時の状況を知らない後々の人に理解して貰うのは大変です。
結局のところ経験者に聞け、となってしまい、はなはだしいのは、経験者が辞めたらもうわからない、ということが起こってしまいます。
このあたりはどうにかしないと企業としての財産が残りにくいように思います。
 このような失敗の状況を克明に残すことを推奨するのは、私の経験から言えば、なかなか残らないからです。
 失敗の記録というのは、担当者やその上司も含めて、失点と受け取られやすいものです。なので、詳細に説明することをはばかる空気があると、後々利用され、生かされることが難しくなり勝ちです。
 そうならないようにするのは、上司、経営者の責任であると思います。
 ”過去トラブル”の是正処置は、品質管理体制の改善の種だと思っています。決失点ではないのです。
飛躍するためのネタなのです。
上司は担当者に絶対残させるという意気込みでレポートを書かせるべきでしょう。

その大事さに気づいた人が個人のメモとして残して置くくらいの資料しか残らない、というのでは、もったいないことです。