品質の改善

品質改善について、経験上いろいろ言いたいこと

測定器の導入

 ここで、いろいろな検証(設計検証、設計審査、試作品の検証など)に使われる測定器類ですが、どのようにして導入するのかを考えてみます。
 測定器類を入手するルートはいくつかあります。
まず、私達がよく利用する「工具屋系商社」から入手するルートです。
「工具屋系商社」と呼んでいますが、扱い品目は結構多く、ボルト、ナットから、工場内の棚であったり、台車であったり、軍手や、安全靴とか安全作業の保護具であったりとか、大概のものは扱っています。測定器はその中の一部分という感じです。

 会社にもよりますが、毎日のように工場に来ている商社(商店のような規模の会社もあります)もあり、カタログなども頂いていることが多く、カタログを見て、それで決断できるものであれば、すぐ発注ということもあります。
社内で規定以内の金額であれば、その日のうちに発注し、翌日に入荷ということもあります。
ノギスとかダイアルゲージとかシンプルな測定器が多いですが。
 二つ目のルートとして、特殊な測定器(特殊な分野で使われるもの)で、こちらも仕様を詳しく聞かないと、理解できないことが多いし、後々の修理なども簡単ではないものは、特殊な測定器を扱っている商社から導入することもあります。

その商社に経験・ノウハウがあるものです。騒音計であったり、照度計であったりです。もちろん、こちらに十分な知識がある場合は「工具屋系商社」からお願いする場合もあります。購入はできる場合が多いです。
 最後に、メーカーから直接購入するルートです。
ミツトヨ」(測定機器のメーカー)から直接購入できる場合です。画像測定機などは直接購入できます。これは、使用方法も難しかったり、デモンストレーションが必須であったり(そうしないと理解が難しい)するので、メーカーも直販になるのかもわかりません。価格が高いのも大きいからわかりません。
 「キーエンス」は直販オンリーみたいで、販売店や代理店は挟んでいません。ユーザーからすると知りたいことを直接訊くことができるのでありがたいのですが。
 

 このように、色々なルートから購入する測定器ですが、精度的に満足出来るものであるかどうか、使用方法に無理がないかなどの判断はユーザーサイドでしなければなりません。
 また、校正方法は導入前に決めておくべきです。社内校正で出来るのか、社外校正するべきかどうなのか。
 さらに、購入のためには、「購入仕様書」を用意したほうがよいと思います。大げさなものでなくとも、「重量は現状品程度」とか、「価格は現状品以下」とか、「表示は現状品より見やすいもの」などという簡単なものでもよいのです。

 「購入仕様書」とするのが恥ずかしければ、「購入要望メモ」としてもよいのです。
最初に考えていた要望を忘れてしまう可能性があるので、忘れないようにメモしておいたほうがよいと思うからです。
 私は、Excelファイルにこのような「メモ」類を残して置くようにしました。これらのメモ類が、もっとしっかりした標準的な「購入仕様書」になっていったものもあります。ならなかったものも多いのですが。
 しかし、検討すべき項目が具体的になり、増えてくれば、新規に導入する際の参考仕様になりますし、ノウハウにもなってきます。
 そして、校正方法や日常点検の方法を決めておき、またトラブル時の連絡先なども記して「○○測定器マニュアル」として、解り易いところに置いておいたほうがよいでしょう。