品質の改善

品質改善について、経験上いろいろ言いたいこと

品質問題解決のスタートは

 品質問題解決のスタートはまず「分けること」でしょう。
必ずとは言いませんが、「分けること」から始めることは多いです。

 いろいろなことが組み合わさっていると、何が何だかわからないので、まずは、いろいろ分けてみて、解決のきっかけをさがします。
 問題現象の原因を探すために、いろいろ分けていきます。
 苦情品だったら、販売した地域で特徴がないか。
生産した時期で、共通性がないか。
苦情品に添付されているコメントで共通性がないか。
異常が起こっている製品の不具合と思われる機能に関連していると思われる部品が共通していないか。
 これらの原因を探っていくために、細かく分けていくわけです。
このようなときに、Excelでのピボットテーブルで分類分けしていくことが多かったように思います。
勿論、棒グラフなどで、視覚化して解りやすくします。これは、会議などでは、理解の助けのためには大切なことです。
 後は、分類分けを続けて、不具合の原因にたどり着くように、解析していくわけです。
そこで、分類分けしていく際は、経験や周りのアドバイスも参考にしていくことで、より原因にたどり着きやすくなると思います。
 以前に、苦情品で返ってくる製品が、確認してみると異常がないというものがいくつか返ってきました。
お客様は、「おかしい!」と、おっしゃっているのですから、異常なことが起こっていると思われるわけです。
 北海道地域からの苦情が多いことで、よく調べると、冬場に多いことがわかりました。
これは、低温で問題があるのかも、ということで、低温でテストしてみると、低温で機能していないことがわかりました。
そこで、使用部品の保証温度がもともと、低温部をカバーしきれていないことがわかりました。
ただ、在庫品を調べてみると、全部が全部だめなわけではないわけです。
 しかし、今までの製品に比べて、不具合の割合が多いことがわかりました。今までの製品は、それほど苦情として返って来ないので、見逃していたようです。どうも、今回の製品と問題の部品との組み合わせで、不具合が発生することが多くなっているようです。
 そこで、問題となっている部品を、設計変更で変えることで、不具合を解消しました。
当然ながら、候補部品のいくつかの確認実験の結果も、「分けること」で、優劣を判断していくことになります。
 このように、原因追究のためには、色々な分類分けを行い「分けること」で、突き止めていくわけです。
 そこには、推定や仮定もあり、また、色々な試行錯誤の条件設定を行った確認実験もあります。
 それに加えて、Excelでの表による分類分けの表やグラフでの見える化を行うことも、推定や仮定の助けになります。
 いずれにしても、品質問題、品質改善のための事象解析のための基本は「分けること」であると思います。
「分けること」から初めて、その他のQC手法も使いながら、希望する目標に進めていくわけです。