品質の改善

品質改善について、経験上いろいろ言いたいこと

品質改善では重点指向で

品質改善を行うときに、苦情などの不具合項目がいろいろあり、全ての項目を是正するには、時間もかかり、経費もかかるので、どれから手を付けていけばいいのか迷うことがあります。
 こうした場合、品質管理では、重点指向で取り組むように言われます。
苦情などの場合、件数の多いものから、棒グラフなどで並べてみるわけです。こうした場合はパレート図が便利です。件数の多いものから順に並べた棒グラフと、件数のパーセンテージの累積曲線を折れ線グラフで表したものが、パレート図です。パレート図では、
1.件数の多い項目は何か。
2.件数の多い項目のいくつかで、全体の苦情の何パーセントを占めているのか。
 
 を一目で知ることが出来ます。
要は、同じ改善を行うなら、改善効果の大きなものからやりなさい、ということですね。
 勿論、これらとは別に、重大な苦情というものも発生することはあります。
1件でも発生した場合は、直ちに手を打たないといけない苦情というものもあります。
こういった苦情は直ちに処理しないといけません。(通常はリコール処理を行うことになると思います)
 それら特別な場合を除いて、一般的には先ほど述べたように、件数の多いものから重点的に対処していくことになると思います。
 今期は件数上位の二つを解消しよう、などと目標を立てるわけです。

 目についたものから取り掛かっていても、一生懸命やっても、小さな効果しか得られなければ、メンバーのやる気が減退します。、なにより、工数、費用などの損失が発生します。投入できる資源を有効に活用し、最大限に効果が出る対策を行う必要があります。そのためにも結果に大きな影響を与えている原因を追求し、優先順位をつけて重点的に対策していくのが重点指向の考え方です。

 単純に、件数だけでなく、緊急度や他の製品への影響度や拡大傾向なども考慮する必要はあります。
そういう状況も当然ながら、考慮する必要はあります。
 しかしながら、基本的には、苦情件数の多いものから対処していくべきです。
 
 以前に、苦情率がワースト1だった製品を、重点指向で改善していくことで、3年でワースト8まで下げることができました。
残念ながら、ワーストランキング10から外すことは出来なかったのですが、苦情率では8%位から、1%位まで下げることができました。
まずは、苦情件数で上位3項目の苦情について、対策を行い、設計、製造、検査の部分で改善を行い、苦情削減を行ってきました。
その後も、引き続き、改善していくつもりだったのですが、担当が変わってしまいましたので、その件からは外れてしまいました。
 しかし、限られた資源である、ヒト、モノ、カネ、時間を有効に使って、最大の効果を上げるには、重点指向は大事であると思っています。また、パレート図は、Google先生に聞けば、Excel例なども教えてくれますので、興味のある人は訊いてみてはどうでしょうか。重点指向を「見える化」する場合は、非常に役に立つと思います。