品質の改善

品質改善について、経験上いろいろ言いたいこと

品質管理の中の日常管理

 品質管理の仕事の中で重要な仕事のひとつに「日常管理」というものがあります。
標準どおり仕事をおこない、その中で標準化の不完全さを見つけたり、改善活動をおこない、それらを標準書などに追加、改訂をおこないます。 
「日常管理」の対象は「異常」です。 
「日常管理」では、通常の状態から大きく外れている状態をみつけ、確実な原因追究をおこない、再発防止をおこなうことが重要です。 
日常管理というのは、重要な業務なのですが、どちらかと言えば地味な業務です。
どちらかと言えば、「やって当たり前、問題が起これば、何をしていたんだ。」と言われかねない業務です。しかしQC工程表や作業標準書などの通りに行っていて、問題が起こるのだとしたら、

1.想定外の事態が起こった。
2.作業標準通りに行うことが難しかった。
3.作業標準通りにおこなったが、結果は良くなかった。

などの原因が考えられるわけです。

1.の想定外の事態がおこったのだったら、今後はその事態を想定内とした、対策を立てないといけません。当然ながら、QC工程表や作業標準書も変更する必要があります。
 2.の、作業標準書通りに行うことに無理があったのであれば、作業標準書に無理があったわけなので、作業標準書の変更を行なわなければなりません。
 3.作業標準書通りに行ったが、結果が良くなかったのであれば、作業標準書に間違いがあったわけですから、こちらも、作業標準書を変更する必要があります。
 こういった、ことは日常の業務ですが、おろそかにしていると、品質はどんどん低下していきますし、作業効率も良くなりません。

こうした日常管理の場合、通常は少しずつ悪くなっていくことが多く、気づくのが遅れがちです。すぐ気づくようにするためには、管理限界を決めておき、限界を超えたらすぐ気づくようにしておくべきでしょう。そうしないとずるずると進行してしまいがちです。
 例えば、工程の不良率が5%を超えたら、手を打つときめておくとか。また、そのためには、毎日不良率をモニターしておかなければなりません。また、できれば、だれが、いつ、報告するのかも決めておくべきでしょう。というのは、大きな問題が起こったというものでなければ、正直、係わりたくない、というのが本音です。皆、それぞれ忙しい仕事を抱えて仕事をしているわけで、出来ればこれ以上仕事を抱えたくない、というのが正直な気持ちです。しかし、日常の変化は、時々刻々とどうなるかわからないわけで、問題があるときは、すぐに手を打たないといけません。
 これは、職場の仕組みの問題でもありますが、上司の部下に対する姿勢の問題でもあるのだろうと思います。5Sでいうところの躾(しつけ)になるのかもわかりません。こういったことを、部下が当たり前のように行動できるように、日頃から言い聞かせていること、時々確認していること。部下は日頃からこういうことを当たり前のようにできるように、習慣化するように行動していること、となるでしょうか。日頃の習慣として出来ているかということは、業務の仕組み(システム)として出来ていないと
いけないですし、上司が部下に対して習慣化させていないといけないですし、また、部下は習慣として自然に行動できていないといけないわけですし、大変です。