品質の改善

品質改善について、経験上いろいろ言いたいこと

品質管理で法令

 品質管理部門にいて、何に一番気を使うかといわれると、"ルール"、つまり、製品やサービスが色々な規制、規定に違反していないかということです。
以前に、日本企業の品質不正などが色々いわれた際に、経営雑誌にかかれていたことがあります。
企業ビジネスで大切なことは何か。
 そのときに、「LSQDC」だと記されていました。
 これは

L ------ Law(法規、ルール、コンプライアンス
S ------ Safety(安全、顧客の安全、従業員の労働安全衛生)
Q ------ Quality(顧客の満足できる品質で製品、サービスを提供する)
D ------ Delivery(納期、約束した期日までに納めること)
C ------ Cost(顧客のの望む価格で納められるよう努力すること)

です。

 一番目に、"ルール"としてのコンプライアンス(法令や規則をよく守ること。法令遵守。)が挙げられています。品質管理部門だからというのもあるかもわかりませんが、"ルール"を何につけ、気にせずには居られません。
 市場に出すためには、世の中の法律や条例を守らないといけません。
国内、海外の国による色々な法規制を守っているか確認しないといけません。
これは、法令を守っていないと、即、リコールということもあるからです。
リコールも、車などでは、当たり前のように報道されて、あまり注目されなくなっています。
しかしながら、一旦、自社で問題を起こすと大変です。まず、経済産業省に届を出さないといけません。
ユーザー向けに、主要大手の新聞(通常4社です)に掲載記事を出さなくてはいけません。記事の大きさにもよりますが、1社で一千万円はかかるのではないかといわれています。(詳しくは知りませんが)
さらに、問題品の回収費用、修理費用、改善に要する費用などで大きく損失を出してしまいます。以前にわが社でリコールを出したことがあるのですが、多くの製品の内の1モデルだけだったのですが、総費用は億を超えていました。車などでは、どのくらいの費用がかかるのでしょうか。相当な費用でしょうね。
 また、それ以外に製造工程で規制を受ける薬品などの確認をする必要があります。社内だけでなく、取引先の工場内でも確認しないといけない場合もあります。製品とは別に、工程で使ってはいけない薬品もあるわけです。または、使う場合に、いろいろな届を出したり、管理をしないといけない規制もあります。
 さらに、当たり前ですが、社内規定に違反した業務は出来ません。品質と直接関係はないかもわかりませんが、勿論、"セクハラ","パワハラ"はダメです。
 それに、社内規定を遵守しているかどうかの問題です。品質管理システム(ISO9001などで)で決められている規定を守っているか。
 などなど、コンプライアンスといっても、大きなものから、ちょっとした手順書違反などまで、種々あります。
 こういった決まり事を守る(守らせる)ことで、品質を維持したり、向上させているのですが、他部門の人からはあまり理解されないのは、寂しいことです。"ルール"には大抵、理由があって決まっているのですが、自分の勝手な判断で、無視してしまう人が時々います。確率は低くても、"ルール"守らないことで、引き起こした結果の責任を一人で引き受けられない場合はどうするつもりなのでしょう。他の人にも迷惑をかけてしまうかも知れない、ということも考えていただきたいと思ってしまいます。