品質の改善

品質改善について、経験上いろいろ言いたいこと

品質管理部門の新人教育

毎年、春には新人が入社してきたり、他部署から配属されてきたりと、新しく品質管理部門には未経験の人達が入ってきます。私のいた部門では、全社の新人教育(通常、Ⅰヶ月くらいでした)の後に数か月の品質管理部門の新人教育が行われるのが普通でした。
 それは、品質管理部門での基礎知識の理解と基礎技術、手法の理解がないと、その後の業務がなかなか進まないという判断からです。
 その主な内容は、


1.品質管理部門のイントラネット(部門のプライベートネット)の内容・操作の理解
2.業界の一般常識の理解(特に業界用語、専門用語)
3.固有技術の基礎的説明(業界技術、自社の技術について)
4.一般QC技術(QCストーリー、QC七つ道具など)
5.QC固有技術(自社の品質マネジメントシステム)
6.測定機の説明(実機を見ながら)
7.自部門の安全衛生の説明
8.自部門の環境マネジメントシステムの説明
9.自部門内の5S活動や各種活動の説明

などです。
 私が配属されてきたのは、20~30年前で、新人でもなかったせいもあり(他部門からの転属)、新人教育と呼べるものはほとんどありませんでした。そういう意味で、最近の人は羨ましく思います。
 でも、彼らは、覚えることが多くてうんざりしているかもわかりませんね。
これらの教育・訓練を職場の配属後に先輩や上司に任せるのは、時間的にも、また各グループで行うのは、効率が悪いという判断からだと思います。
 その中でも、1.の部門のイントラネットの理解は必須で、イントラネットの中の掲示板には、各種文書や記録類が詰まっていますので、これ無しには、ほとんどの業務が立ちいかない状態です。最初からすべて理解する必要はないのですが、一通り覚えるまでは、それなりの日数がかかると思います。
 また、私が、入社した際に苦労したのは、業界の一般常識でした。製品の流通の仕方であったり、また専門用語です。
専門用語がわからないと、まず話の内容が判りません。これは覚えるしかないでしょうね。
 3.の固有技術と書いたのは、自社の得意な技術や製品のうたい文句である性能などを生み出している技術や製法(特に自社がアドバンテージを持っているもの)です。
これは理解しておく必要があると思います。
 それらに加えて、4.~9.なども理解して(全部とは言いませんが、必要に応じて)はじめて品質管理業務がおこなえるので、新人の人は大変だなあ、と他人事ながら思います。
 しかしながら、それらの知識・技術を基礎的ながらも理解すれば、先輩・上司のサポートを得ながらでも通常業務がこなせるようになっていくとおもいます。そういう意味で、初期の頃の集中教育は、効率的ではないかな、と思っています。