アウトソーシングする時の仕様書
企業がアウトソーシングするときに、契約を交わし、詳細は仕様書などで決めると思います。
例えば、製品や部品の製造を依頼する場合に、製品の仕様を決め、入荷時に受け入れる際に、製造側は出荷検査を行い、受け入れる側は、通常、受け入れ検査を
行うと思います。
これがよく言われるやり方ではないでしょうか。
しかし、もともとアウトソーシングをするということは、自社で出来ないことをお願いしているわけで、当然ながら仕様を一から十まで決めることはまず無理です。
アウトソーシングする理由もいろいろあって、
1.自社で行っていたことを、人や設備を無くして外部に出したい、簡単に言えば、経費節減です。
その分の人や設備を他分野に投資したいか、単純に減らしたいかの理由はいろいろ あるのでしょうがその分の人や設備を他分野に投資したいか、単純に減らしたいかの理由はいろいろあるのでしょうが。
2.自社で行ったことがない分野に乗り出したいが、ノウハウ・知識も不十分なので外部会社に依頼したい。当然ながら1.の理由での期待もあるものです。
このように、大きくは二つがあると思います。
ただし、ここで品質というものを深く考えていないのではないかと思われる場合があります。
私が以前にかかわった製品で言えば、2.に近いものであったと思います。
それは、従来から製造していた製品とは 別路線といいますか、メカニカルな
製品とは別に、電気的な機能を持った製品を開発したのですが、当然ながらノウハウ・知識も不十分なので、設計・製造を依頼したわけです。といっても、電気部分はコントロールユニット部分を別部品として製造してもらう。最後に、機械のメインの部分とコントロールユニット部分とモーター部分を合わせて組み立てる。
そのコントロールユニット部分をアウトソーシングする(設計も製造もお願いする)というものです。
しかしながら、製品の苦情が異常に多いわけです。私が移動してきて、担当になった時は、製品の中で一番苦情の多い製品でした。
苦情で返ってきた製品を解析して、問題があると思われる部分の改善をお願いすると設計部門とは話し合いが出来て、次回新製品では改善できたかなと思っていると、試作品で改善されていないわけです。理由を聞くと、どうもアウトソーシング先
まで、連絡が言っていなかったみたいで、聞いていないということ。実は、アウトソーシング先との連絡は設計部門が行っているのですが、連絡に抜けがあったようで、これは困ると苦情をいいました。
気を付けます、ということでしたが、仕様書という形で、文書で依頼先に出して欲しいといったところ、出したことがないので、書き方が判らないといわれました。「何でもいいから、今問題になっているところだけでいいから、それだか書いて出してくだ
さい」といったのですがそれだけでは出せないの一点張りです。どうもよくわからないのですが、設計部門の担当者なのか上司なのかわからないのですが、仕様書として文書にする以上は「ちゃんとした」ものにしないと、「企業として恥ずかしい。」ということのようです。
らちが明かないので、私の上司と相談して、こちらで試作品を受け入れ時に審査する「品質評価表」のうち、関係する項目を、「品質評価項目一覧」という名目で、品質管理部門からだしますので、「この基準で審査して合格しないものは受け入れません。」
ということを、設計部門、製造部門、依頼会社に了承してもらいました。
私は、問題になった時点で仕様変更を行って行けばよいと思っていたのですが、体裁を整えないとだめだとのことでしたが、当時の私は、「まず、すぐ変更してくださいよ。」という要望が最優先でした。体裁など考えてなかったのですけどね。
いずれにしろ、会社対会社でのやり取りは、文書のやり取りがしっかりしていないと業務が進まないということを痛感しました。当たり前の話ですが、今までがいい加減すぎたのでしょう。
仕様は文書で交わすべきです。
「言った言わない。」となると最悪です。