品質の改善

品質改善について、経験上いろいろ言いたいこと

品質不具合の再発防止

 品質不具合の再発防止を防ぐには、問題が起きた時に、プロセスや仕事の仕組みにおける原因を調査して”取り除き”、もう二度と同じ原因で問題が起きないように対策するということです。
そのためには、
1.「なぜ、そのトラブルが発生したのか?」と考えることです。
この問いかけで、トラブルの発生原因を問うことができます。
「なぜ、そのトラブルが発生したのか?」を繰り返し問うことで、
単に『ケースの強度がなかったんだ。』という表面的な原因で、問いを終わらせないことが重要です。
これは、よく言われる「なぜなぜ分析」です。
 通常、5回質問すると、真の原因に行きつくといわれます。5回と決めることはないのですが、真の原因と思われる解答に行きつくまで、考えるべきでしょう。
再発する問題は、一応の対策が取られているが、対策が不十分か、ズレているかのどちらかです。
次に、
2. 「なぜ、事前にそのトラブルを見つけられなかったのか?」
この問いによって、仕事のやり方や管理の仕組みの問題を見つけることが出来るといわれています。
「なぜ、事前にそのトラブルを見つけられなかったのか?」を繰り返し問うことで、
「社内設備の品質を評価する仕組みがなかった」という答えを導き出すことができます。
この問いも、「なぜなぜ分析」で真の答えを見つけるべきです。
そこで、適正な評価の仕組みを作り上げなければいけないわけです。
 以前に、ユニット部品の密封不具合が多発して苦しんだことがありました。
ユニット部品としての対策不十分と思われるところは、対策が終わっていたのですが、それでも苦情率が下がったとはいえ、継続して苦情がありました。
 そこで、再度詳しく調べたところ、苦情品のユニット部品に目に見えないクラックが入っていることがわかりました。これは、目視チェックではわからず、密封チェック治具でわかったことです。
そこで、クラックの原因を解析したところ、製品の落下衝撃であろうということが判りました。
 初期に発見できなかったのは、落下衝撃によるクラックは確率の問題であり、同じ高さから落としても、クラックが入らないこともあり、入ることもある。ようするに、バラツクわけです。また、チェックは目視チェックで行ったり、密封治具で行ったりと、チェック方法がはっきり決まっていなかったということもありました。
 このように、原因の追究は、しつこく、またいくつかの種類がる場合は、その種類ごとに深堀するべきです。
 また、トラブルの見つけ方も同じように、いくつかの種類を深堀するべきです。
そうすることで、真の原因を突き止め、合わせて適正なチェック方法を見つけ出さなければなりません。
 
 このように、再発防止で重要なことは、品質不具合の真因を追究することです。
 そして、生産・品質の4M(人・機械・材料・方法)の見直しと変更を行い、問題が再発しないように検査方法など標準類へ反映することだと思います。